■「洋上三角点」目指すもタイムオーバー

古い町並みが残る牛窓

 ダンガメ山からの下山時点で午後3時。もう1カ所くらい狙えるのではないか。地図を見ると、瀬戸内市牛窓町沖の前島に三角点が見つかった。ここで「フェリーにも乗車可」とルール変更を行い、バスとフェリーを乗り継いで「洋上三角点」目指すこととした。

 瀬戸内市牛窓町は、潮待ちで栄えた港町。現在でも古い町並みが残っている。温暖さと多島美が売りで「日本のエーゲ海」とも称されている。牛窓行きのバスは、観光客とおぼしきカップルや中高年が多かった。無料バスで観光した市民は多けれど、三角点をはしごしたのはおそらく筆者だけだろう。

 新型コロナウイルスの影響でフェリーの本数が減少していたこともあり、前島に上陸したのは午後4時15分。ここから三角点を目指すこととした。しかし午後5時が迫っても登山口にたどり着けず、ここでタイムオーバー。

前島の高台から望む瀬戸内の夕景

島の高台から見る瀬戸内の夕景がとても美しく、エンディングにふさわしい光景だった。

 この日巡ることができたのは3カ所。乗り継ぎがうまくいけば4カ所は巡ることができたと思われるだけに、結果は残念だったが、天候に恵まれたこともあり、爽快なハイキングを体験できた。

 地方でのハイキングや登山はともすればマイカーを使いがちだが、公共交通機関をうまく利用すれば、縦走などをして別の場所へ下山することも可能となる。便数や乗り継ぎなど課題も多いが、旅にひと工夫をしてみるのはいかがだろうか。