■自然を感じながら山登りを楽しもう

季節によって様々な表情の景色が楽しめる

 「石鎚山成就神社」の神門を越えたら山歩きが始まる。頂上までの目安はゆっくり歩い約3時間。登り始めはゆるやかな道が続くので、道中にある自然を堪能しながら自分のペースで進んでいこう。

比較的歩きやすい石段や木段が多い

 1300年も前から数多くの人が通った登山道は、石段や木段が多く比較的歩きやすい。ただし、12〜4月の積雪期は四国であっても雪が積もる可能性が高いため、雪で滑らないための金属製の爪が付いたアイゼンが必須だ。この期間はリフトが運休するため、初めての登山を考えている人は4〜10月の時期をおすすめする。

■修験者が歩んだ鎖場が続く

垂直の岩壁を鎖だけで登る

 石鎚山には古来より修行で使われていた鎖場が四箇所あり、今もその道を通って登山することが可能だ。鎖場とは、鎖やロープなどの補助物がかかった岩場のことを指す。石鎚山の登拝はこの鎖を登る修行が重要とされており、吊るされた鎖を登ることで邪心が捨て去られ、罪穢れを祓い去ると言われている。

 しかし、四箇所ある鎖場はどれも角度が急でスリル満点の場所ばかり。どの鎖場にも迂回路が用意されているため、初心者は鎖場を避けて頂上にたどり着くことも可能だ。はじめにたどり着く「試しの鎖」でチャレンジしてみて、難しそうであれば無理せず迂回路を活用しよう。

■頂上にそびえ立つ「奥宮 頂上社」

三体の御神像が祀られている

 歩き始めてから約3時間、「石鎚山奥宮頂上社」がある標高1974mの弥山(みせん)頂上に到着する。弥山から15分ほど歩くと石鎚山のピークである標高1982mの天狗岳(てんぐだけ)にも行くことができる。ただし天狗岳の周囲は断崖絶壁なので、初心者にはおすすめしない。

 1300年の歴史を感じる石鎚山は山頂以外にも楽しめる場所がたくさんある。ロープウェイやリフトを使うと初心者や家族連れでも簡単に登山できるため、ちょっとした終末トリップにもおすすめだ。勇気がある人は修験者と同じ鎖場を体験して、歴史の重さを感じてほしい。