■厚切り肉をきれいに焼くには、少々テクがいる

厚みのある塊肉は中まで火を通す工夫が必要

 皆さんが鉄板で一番焼いてみたい食材は「厚切り肉」だろう。普通の肉ならば「熱々にした鉄板でサッと焼くのが美味い」わけだが、厚切り肉の場合、その焼き方だと中まで十分に火が入らない。

 そこでひと工夫。表面に焼き目がついたら、肉をアルミホイルに包み、火を止めた鉄板の上にしばらく置いておこう。こうすることで、余熱によって低温調理の要領でじんわりと芯まで火が入る。中までしっとり、肉汁も逃さず上手に焼き上がる。

シェラカップをかぶせて焼くと、火が入りやすくなり、油も散らない

 同様に、シェラカップを蓋代わりにかぶせても同様の効果がある。ソースは直接かけるとこぼれてしまうので、皿に盛るときに付けるといい。

 また、油が多い部位は焼いている間に油がこぼれ落ちてしまうので、油が少なめの部位が焼きやすい。サーロインやカルビよりも、ロースやヒレなどの赤身肉の方が美味しく焼けた。

 中の焼け具合は、カマンベールチーズ同様、押してみた硬さで判断する。中指と親指をくっつけたときの親指根元の腹の硬さを目安にするといい。

油が垂れるとバーナーが焦げついてしまう

 デザートや付け合わせに、フルーツも焼いてみよう。シーフードをオイルで和える要領で、焼く前に全体に薄ら砂糖をまとわせてから焼くと、表面がカラメル状にクラストしてめちゃくちゃ美味い。もちろん、そのまま素で焼いても美味いのだけれど、火加減の練習にもなるのでぜひお試しいただきたい。

軽く砂糖をまぶした焼きフルーツは最高のデザートになる

 前編にも書いたが、ミニグリル鉄板料理の一番のポイントは「あれができない」「ここがダメ」など、ネガティブな面ばかりを見ずに、できることを工夫して楽しむことだろう。そもそもアウトドアは不便を楽しむ遊びの面もあるので、不便な部分をいかに工夫で補うかを考えつつ使ってみると、楽しく料理ができるはずだ。

前編をチェック
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