■元日のダイヤモンド富士で有名な「竜ヶ岳」は正月を避ける!?

初冬の竜ヶ岳には雪と青空と富士山の風景が待っている

 ところ変わって、本栖湖の湖畔にたたずむ竜ヶ岳にも足を伸ばしてみた。

 ここも交通の便がよくない。とはいえ、元日ばかりは富士山のてっぺんから昇るダイヤモンド富士を写真に収めようとカメラマンとハイカーで大いに賑わう。昔、それを知って勇んだものの、正月に予定があったため仕方なくその数日前に登ったぼくは、偶然にも無人の山頂から富士山を独り占めしたことがあった。雲に遮られて写真は撮れなかったけれど、その日もダイヤモンド富士の期間内だったのだ。

登山道はわかりやすい。積雪と凍結の場合は軽アイゼンが必須

 またある年のクリスマスの午後、雪がぎっしり積もった竜ヶ岳に登ったことがあった。その日もまた無人の山頂で、足元に広がる青木ヶ原と眼前に迫る富士山とを見下ろす絶景を陽が沈む直前まで独占。西日に照らされる樹海と富士の山肌が黄金色に染まっていく様子が神々しく、それに魅せられて以来、たびたびこの山に登りに来ている。

周辺の低山から富士山を“見下ろす”風景がスペシャル!

 登山口は本栖湖の湖畔だから、周辺にはキャンプ場や旅館も多い。夜明けにしても落日にしても、冬場の山行はなかなかしんどいだろうから、こうした宿を利用するのもいいだろう。つい自宅と山の往復になりがちなので、せっかくだから麓の街を歩いたり、食や温泉を楽しんだり、寄り道をして帰りたいところだ。