■伝説のギア再び

 不思議なものでアウトドア好きの中には、のめり込めばのめり込むほど困難に直面するような状況に身を置いたり、最小限のギアを使って楽しみたいという人種がいる。

 顕著な例がブッシュクラフトだ。最低限の道具だけは準備しつつも、それ以外は自ら現地にある素材を使って工作し、自然の中で過ごすという不便さを楽しむアクティビティは、便利さが追求されて成熟した現代社会におけるアンチテーゼにほかならない。

 しかし、ときにこうした一連の不便さを知って、あえてそれを乗り越えようとしたくなるのも人間の持って生まれた性なのかもしれない。

野外で炊くご飯はなぜこれほど美味しいのだろう

 そうした中、不便さを好むアウトドアフリークの人たちに、ぜひとも紹介したいギアがある。それがエバニューから発売された「Backcountry Almi Pot」だ。こちらは、ULハイク界では言わずと知れた伝説的なギアにもかかわらず、惜しまれつつも生産が完了した商品「アルミポット」の復刻版で、多くのコアなユーザーが復活を願っていた銘品としても知られている。

 今年の春、エバニューがこの伝説のギアを国内製造で復刻させた。売れ行きも好調だという。そんな人気商品の詳細についてお届けする。

復刻を待ち望んでいた人が多いアルミポット

■Backcountry Almi Pot

 Backcountry Almi Pot、見た目は伝説の銘品には見えないアルミ製のシンプルなクッカー。しかし、伝説と言われたのには理由がある。それは焚き火のような過酷な環境下においても、ガンガンと使うことができ、とにかくタフであるという点。そのため、薪を使って火を起こし、そのまま食材を温めても一切へこたれない。

ここまでタフでコンパクトなクッカーが他にあっただろうか

 嬉しいことにオリジナル品を踏襲し、取り外し可能なベイルハンドルやフラットなフタも付いているため、以前からアルミポットのへビーユーザーだった人も満足しているのではないであろうか。

オリジナル品よりもさらにグレードアップしている

 特に最近のクッカーは、フッ素加工を施し、シングルバーナーを使い、中火以下でぐつぐつと煮込む仕様のモノがメインとなっているため、こうしたワイルド過ぎるクッカーはかなり新鮮。

 ハンドルは吊るしたまま直火を使った調理をすることもできるコンパクトなクッカーは他ではなかなかお目にかからないため、こうした使い方をしたいワイルドを好むアウトドアフリークが探していたものではないだろうか。