風が吹くたびに揺れるススキ。日の光を浴びて山一帯が金色に輝いている。どこまでも続く雄大な草原は足を一歩踏み入れたくなる景観だ。草原を眺めていると遠くにひつじの群れが。よく見るとひつじではない、石灰岩だ。平尾台は石灰岩が浮き上がった大地でできており、日本三大カルストの1つと言われている(他には、秋吉台(山口県美祢市)、四国カルスト(愛媛・高知県境の四国脊梁山脈)がある)。北九州から車で30分でこの絶景。行かねば損である。

■草原のひつじの正体は?

草原に広がるのはひつじの群れ…ではなく石灰岩だった

 日本三大カルストの1つである平尾台は、雄大な草原が特徴的だ。羊群原(ようぐんばる)とも言われるこの草原には、ひつじの群れのように見える白い石肌が点在する。ひつじの正体は石灰岩で、雨水の浸食によって生まれたものだ。実はこの石たち、地面の上に転がっているのではない。地下深くに続いており、私たちが見ているのはほんの一部分なのだ。石灰岩が氷山の一角として現れているこの台地は一億年前にマグマで溶かされ、再結晶してできたそう。地球の歴史が地表に表れているというわけだ。

まるで恋人同士のような「キス岩」。さまざまな形の石灰岩がある

 面白い形をしている石灰岩がたくさんあるので、ぜひ探してみて欲しい。恋人同士のような「キス岩」、石灰岩が削れてできた「鬼の洗濯板」。迷路のような草原トレイルを歩きながら石灰岩探しを楽しんでみてはどうだろう。