■アウトドアには欠かせないクッカー

 キャンプや登山で嗜むコーヒーやカップラーメンは格別だという人が多い。自然の中にいる解放感がそうさせているのかもしれないし、体が疲弊しているからより栄養を求めてそうなっているのかもしれない。はたまた空気が美味しい場所にいるから舌が鋭敏になっているからかもしれない。

 疲れ切った体を休め、バーナーに火を灯し、じっくりと注いだ1杯の温かいコーヒーのなんと美味しいことか。単にお湯を沸かして入れただけなのに、家で食べるカップラーメンとはこうも味が違うものなのか。実際に経験した人であれば、リアルにイメージが沸くのではないであろうか。

フタがついている機種は早くお湯を沸かすことができる

 そんなアウトドアにおいて、コーヒーやカップラーメン作りに欠かせないお湯を沸かすには、クッカー(コッヘル)と呼ばれるタイプの鍋が使われることが多い。定義があるわけではないが、クッカーには主に丸いタイプのものと四角いタイプのものがあり、折りたたむことのできる取手が付いた形状をしているのが特徴だ。また、同じメーカーのものであればサイズ違いのクッカー同士は重ねてしまうことができるなど、少しでも場所を取りたくないアウトドアマンにとって役に立つ作りとなっている。

 材質はアルミニウム、鉄、チタン、ステンレスが一般的に使われており、それぞれ一長一短があると言われている。ここはメーカーが考える用途や使い勝手によって、製法が異なるようだ。

■チタン ウルトラライトクッカー 0.3シリーズ

 今回紹介するのは、初心者からベテランまで多くのアウトドアマンから支持されている人気ブランドのエバニュー製のクッカー。中でも絶大な人気を誇る「チタン ウルトラライトクッカー 0.3シリーズ」に注目してみた。

見た目も美しいチタン ウルトラライトクッカー 0.3シリーズ

 採用している素材は、添加物や不純物を含まない純チタン。軽量とされるアルミニウムと比べると、やや重たいものの、強度があるため、タフなシチュエーションが多いアウトドアではかなり重宝する。さらに、耐久性があるため、長く使うことができるのも特徴。加工が難しく、作るのに手間もかかるため高価であると言われているが、頑丈な分、長い目で見たら決して高いものでないと言えよう。

 製造元は、日本屈指の金属加工の街・新潟県燕市の工場。金型・プレス・しぼり・溶接とそれぞれの工程を熟練の職人の手作業で行っている、まさに手間暇かけて作られる本格的なクッカーとなっている。

 他社には真似することのできない薄さ0.3mmという超極薄を実現しているだけでなく、チタンの特殊薄板を使用することで約20%の軽量化に成功と、厳しい登攀を目指すクライマーやライト&ファストを志向するスピードハイカーなど本気のアウトドアマンが求めている仕様となっている。

 グリップにはシリコンチューブを巻いており、高温になったクッカーを素手で扱えるように設計。また、貴重な水を無駄にすることないよう、クッカー内部に目盛を付けているのは嬉しいところだ。

 なお、こちらの「チタン ウルトラライトクッカー 0.3シリーズ」は、燕商工会議所が商品の原産地・品質安全性を確認し、認定した製品にのみ認められたマーク「メイド・イン・ツバメ」が付いている。そのため、名実ともに日本、いや世界一の品質を誇るクッカーと言えるかもしれない。