■丘の上にある隠れた秘湯・長泉寺薬師湯

地元民でも滅多に知らない、まさに「秘湯」

●1000年近くの歴史を持つ長泉寺の敷地内にあるマニアックな温泉

 次に紹介するのは、別府の中でも小高い丘の上に位置して目を引くお寺「長泉寺」の敷地内にある温泉だ。別府地獄と呼ばれる観光名所のうちのひとつである龍巻地獄から歩いてすぐの場所にある長泉寺は、1044年の建造以来、応仁の乱での消失など様々な困難を乗り越えて今に至る。

 そんな長泉寺の敷地内にある「薬師湯」もまた長い歴史を持ち、古くは後冷泉天皇が湯治に訪れたことでも有名だ。浴槽はこぢんまりとした1〜2名用の大きさで、源泉掛け流しの温泉は43〜44度とやや熱めだ。

●入浴料は「お賽銭」という寺ならではのルール

筆者が訪れたときはペンキの塗り替え中で、壁がきれいになりつつあった

 薬師湯に入るには、長泉寺の奥にある住職のお住まいを訪ね、入浴の許可をもらう必要がある。この時、台帳に署名するのと同時に「お賽銭」を払うというシステムが寺ならではのポイントだ。お賽銭は「〜円以上」といった決まりはなく、薬師湯の利用客が気持ちで払う。そのため、厳密には無料で入れるというわけではないが、とてもユニークかつ長い歴史を持つ秘湯であるから、温泉ファンにはぜひ訪れていただきたい。入湯時間は10:00~16:00と短めなので、訪れる際には気に留めておこう。

■「長泉寺 薬師湯」の基本情報
・住所:大分県別府市亀川野田800-6
・料金:お賽銭(お気持ち)
・その他:駐車場完備

https://chousenji.sakura.ne.jp