■世界中で自転車不足
今、世界中の大都市では満員電車で通勤するよりも自転車通勤のほうがいろいろとメリットがあると考える人が増加している現象が起きています。日本においてもこの1年半の間、緊急事態宣言をはじめ、密を避けるための新しい生活様式が浸透し、人々の持つ価値基準も大きく様変わりしたことが大きな要因のひとつとして考えられます。
それは自転車の世界にも多大な影響を与えています。実は今、世界中で自転車不足なんです。知ってました? 特にスポーツバイクに関しては、世界的に需要が増しているにもかかわらず、工場が稼働せずに部品供給が間に合わない状況があります。半年から1年ほど納期が遅れている自転車関連商品もあるようです。これら全てコロナ禍による影響といえます。加えて、成長著しい新しいジャンルであるe-bikeの人気がそれに拍車をかけています。
確かに現在の制限のある生活のなかで、体を効率的に動かすには通勤等にスポーツバイクを導入するのは理にかなっていますよね。スポーツバイクは車格に応じた値段がしますが、ちょっとした距離の移動を簡単にしてくれて、そのうえ所有欲を満たしてくれます。また、車体はメカニカルでパーツ交換の楽しみなど、遊び心をくすぐるところにも魅力があります。
■スポーツバイクの違い - ロード、BMX、そしてマウンテンバイク
スポーツバイクには様々な種類があります。オリンピックを控えたこの時期なので、競技も含めて紹介すると、トラック(競輪)、ロードバイク、BMX、マウンテンバイクの4種類があります。その中で街でも目にするのはロードバイク、BMX、そしてマウンテンバイクといったところでしょうか。
ロードバイクはより速く、より長い距離を走行するためのスポーツバイクで、オリンピックでは250km(男子)を走るロードレースが行われます。まぁこれよりも「ツールドフランス」で走っているバイクとイメージしてもらった方が良いかもしれません。軽量なフレームに細いタイヤと、どこを掴んだら良いのか分からないドロップハンドルで、さながらレーシングマシンといった感じです。
BMXは元々バイシクルモトクロスというのが正式名称で、複数人で起伏やバンクのあるオフロードコースを走って順位を競います。さらに東京大会からは「フリースタイル」というスケートパークでジャンプやスピンを競う競技も始まります。
使用するBMXのバイクは、タイヤが子供の自転車のような20インチで、フレームも小さく、サスペンションや変速ギヤなどはついていません。フリースタイル競技ではブレーキも外す選手もいます。40代以上の世代には、映画「E.T.」で空を飛んで一躍有名になった自転車と言えば、多くの方々がわかることでしょう。
最後にMTB=マウンテンバイクは、その名の通り山を走るためのバイクですが、実はオリンピック競技です。オリンピックではクロスカントリー(XC)という1周4〜5kmのオフロードコースを5周ほど走り順位を競います。ロックセクションやジャンプ、上りもあり、見応えがあります。オリンピック競技ではないですが、他にもダウンヒルやエンデューロといった競技があります。使用するバイクは太めのゴツゴツしたタイヤにサスペンションがフロント(前輪)のみ、もしくは前後についたバイクです。