■ヨーロッパで人気! マエストラーレRSとゲアRS

2020-21モデルのマエストラーレのラインナップ

 続いては、 マエストラーレRSとゲアRS。マエストラーレの構造そのままに、シェルの材質を変えることで硬さをアップしたモデルだ。材質はカーボングリアミドという、カーボンを織り込んだ素材。カーボン特有の扱いにくさがなく、軽量なまま硬さを高めている。

 ブーツ全体の重量はマエストラーレの同サイズと比べわずか10g重いだけの1450g。歩行モード時の歩きやすさはマエストラーレと変わらないので、歩行と滑走性能を高いレベルで併せ持つモデルとなっている。

■滑走性能を重視! マエストラーレXT

来シーズン! 2021-22モデルのマエストラーレXT

 マエストラーレXTは、スカルパATブーツで最も高い滑走性能をもつモデルだ。カーボングリアミドのシェルに加え、アッパーシェルを2バックルにすることで、ブーツ全体の剛性を高めている。重さは1490gと、重量の増加も気になる程ではない。ロアシェルはマエストラーレ同様にLAMBDAフレームが採用され、カフも同様に変更されている。これらの改善によって、現行モデルよりさらに滑走性能がアップした。

 個人的に試乗した感覚としては、マエストラーレ以上に滑走性能のアップが感じられた。歩行モードでの可動域は、アッパーシェルの2バックル構造によって前方への可動が制限されるので、56°となっているが、アッパーシェルの動きはスムーズだ。

基本的な滑走性能が高いマエストラーレシリーズ

 基本モデルのマエストラーレ、シェル硬度を高めたマエストラーレRS、さらにアッパーシェルの構造を変え、最も高い滑走性能をもつマエストラーレXT。マエストラーレだけで3つのモデルがあり、一般的なバックカントリースキーでは十分過ぎる選択肢と言える。

 しかし、様々な山行スタイルがあるバックカントリーの世界。次回はそんな一般的なバックカントリーより、もう少し突き詰めた山行スタイルに対応する、F1シリーズとSKIMO用のエイリアンシリーズを解説していこう!