標高2612mまでロープウェイで一気にアプローチできる千畳敷は、一年を通して、観光客や登山者、スキーヤー・スノーボーダーまで多くのアウトドア愛好家が訪れる、中央アルプス屈指の人気スポットだ。そんな千畳敷の麓に広がる伊那谷には、山旅の満足度をさらに高めてくれるグルメスポットが数多くある。伊那谷在住の食いしん坊ライターである私が、一押しのグルメスポットを厳選してご紹介しよう。
■国産豚肉のみを使った老舗中華のソースかつ丼【中華料理 きよし】
駒ヶ岳ロープウェイのある駒ヶ根高原では、ご当地グルメとして「ソースかつ丼」が有名だ。そのため周辺には、ソースかつ丼を提供する店舗が30店舗以上もある。
(詳しくはこちら⇒http://www.komacci.or.jp/katsu/search2.html)
メディアではボリューム重視のお店が注目されがちだが、私が好みなのは、量はほどほどで上品な味わいのソースかつ丼だ。そんな私が地元の方に紹介されて虜になったのが、駒ヶ根駅前にある老舗中華料理店「きよし」。
きよしでは、ロースとヒレを選ぶことができ、ロースはこだわりの霧島産、ヒレにも国産の豚肉が使用されている。脂身が苦手な私はヒレのかつ丼をいただいたが、約3cmの分厚いヒレ肉の、やわらかくてしっとりしていて弾力のある食感にノックアウト! 衣・キャベツ・ごはんに染み込んでいる、甘さとしょっぱさのバランスが絶妙な秘伝のソースも、味の決め手に。菅の台周辺にもかつ丼店はいくつもあるが、駅前まで足を運んででも、ぜひ食べていただきたい味わいだ。
■ウイスキー樽で寝かせた香り高いコーヒー豆をお土産に【マルス信州蒸溜所】
駒ヶ根高原には、中央アルプスの雪解け水に由来する地下水を使ってウイスキー造りを行う、本坊酒造の「マルス信州蒸溜所」がある。こちらも、菅の台からは車で4分と近い。蒸溜所では、蒸留設備の見学やウイスキーの有料試飲ができるうえ、敷地内のショップでは蒸溜所限定のウイスキーやグッズを購入することができる。
ショップで販売されている商品のなかで私がとくにおすすめしたいのは、ウイスキーはもちろんだが、こちらの「マルスオリジナル バレルエイジドブレンド」というコーヒー豆だ。これは東京の名店「猿田彦珈琲」とのコラボレーションで生まれたもの。厳選されたコーヒー豆が、「マルスウイスキー駒ヶ岳」に使用された樽で寝かされ、香り付けされている。アイリッシュコーヒーがあるくらいだから、ウイスキーとコーヒーとの相性がいいことは想像できたが、このコーヒー豆を挽きたて淹れたてで初めて飲んだときの衝撃と言ったら! その金額に見合う価値は充分にある味わいだ。
営業時間:9:00〜16:00(試飲受付は15:30まで)/年末年始・臨時休業あり
連絡先:0265ー85ー0017
https://www.hombo.co.jp/company/kura/shinshu.html
■しっとりもっちり! 揚げたて「とうふどーなつ」をぜひ【宮田とうふ工房】
中央アルプスの雪解け水、信州産大豆のみを使用した豆腐作りをする「宮田とうふ工房」。菅の台からは車で約10分と少し離れるが、ここまでわざわざ足を伸ばして食べてもらいたいものがある。それが、この「とうふどーなつ」だ。
「とうふどーなつ」には丸型とリング型の2種類があり、定番はプレーン・メープル・きな粉・塩、そのほか週替わりの味がレジ前のショーケースに陳列されている。ショーケース内のドーナツは当日に揚げられたもので、外側はサクっと、内側はしっとり&もちっとした食感がたまらない。大豆のナチュラルで優しい甘さの組み合わせは最高だ。大豆だしヘルシーだからと、たくさん食べすぎてしまいそうなのが玉にキズかも・・・。山で遊んだ後、帰り道のお供にいかが? ちなみに豆乳ソフトクリームも、地元民には大人気だ。