梅雨の晴れ間がチャンス!
花の名峰を訪ねる
おすすめトレッキングルート
■登山のスタートは千畳敷カールから
スタートとなる駒ヶ岳ロープウェイ終点の千畳敷駅はホテルの中にある。到着すると、そこはすでに標高2,600mの雲上の世界だ。 一歩外に出ると、目の前には千畳敷カールの壮大な景色が広がり、日常をすっかり忘れさせてくれる。
この時期、カール内は一面の高山植物のお花畑となっており、観光客と登山者で賑わっている。左奥にそびえる頂は宝剣岳だ。 散策して歩く範囲だけでも、咲き誇る花々とダイナミックな山岳景観を楽しめる人気の観光スポットだ。
駒ヶ岳神社の祠の脇から、極楽平を目指してひたすら坂を登っていく。歩き出しからいきなり登りが続く。なかなかハードではあるが、登山道の脇には可憐な花々が咲き誇っていて目を楽しませてくれる。のんびり歩いていこう。
たどり着いた先が極楽平だ。「サギダルの頭」を越えて「三ノ沢分岐」へ。
■ハイマツの稜線をいく
主稜線から南西へ目を向けると、ピラミダルな山容が目を引く。これが三ノ沢岳だ。 緩やかにアップダウンを繰り返す尾根上は、一本道でとくに迷うような箇所はない。
快適な空中散歩といきたいところだが、ハイマツが濃く生い茂っているところや、やや痩せた場所もあるのでつまずかないよう、足元に注意して慎重に進もう。
ケルンのある広いスペース。ここまで来ると、いよいよ山頂まで残りわずかだ。休憩にもってこいの場所なのでひと休み。この先にハイライトのお花畑も待っている。補給して息を整えたら、ゆっくりと登っていこう。
■ようやく出会えた! 山頂直下のお花畑
伊奈川から突き上げる沢筋は、お花畑となっており、ハクサンイチゲの白やシナノキンバイの黄色が目立つ。登山道はちょうどお花畑を横切っていて、足元から谷間へと吸いまれるような景色が爽快だ。
白い花がよく目立つハクサンイチゲ。年によって開花の時期にばらつきはあるが、だいたい7月中頃が見頃。梅雨の時期なので、うまく晴れ間を狙って出かけたい。
山頂周辺は大きな岩がゴロゴロ横たわっていて、腰かけたり寝そべったり思い思いに過ごすことができて快適だ。 普段は静かなこの山も、花の咲く時期は多くの登山者で賑わっている。ほてった体をなでつける爽やかな山の風が心地いい。ここまでの頑張りをねぎらってくれているようだ。
振り返るように東側を見ると、歩いてきた三ノ沢岳の稜線の先に剣先のように鋭い宝剣岳、その左には木曽駒ヶ岳も見えていて、なかなか見事な景色。ただ、下山はあの向こう側だと思うと・・・