■“寝坊厳禁!”  夜明けとともに池から飛び立つコハクチョウ

朝もやの中を飛び立つコハクチョウ
朝日が差し込んでくると美しさが一層増していきます
お腹についている黒い点は、コハクチョウの好物「ヒシの実」。尖った実が腹にくっついたのでしょう

 大山上池・下池でコハクチョウを観察するのには、ポイントがあります。それは、早朝に現地に行くことです。夜明け前に現地に到着しておくことが望ましいでしょう。夜の間、池で休んだコハクチョウたちは、夜明けとともにねぐらを飛び立っていきます。ですから、昼頃に出かけても、カモの大群ばかりでがらんとした広い水面を眺めることになってしまいます。頑張って早起きすることが大切です。

 コハクチョウたちは、朝もやが漂う中、力強く水を蹴って次々と飛び立っていきます。体が大きなコハクチョウが飛び立つのには長い助走が必要なのです。頭のすぐ上を大きなコハクチョウが羽ばたいていくのには思わず息を飲んでしまいます。そして、朝日が差し込むと、高館山の紅葉が一層映えてきて、日本の秋の美しさを存分に堪能することができます。

 そんな紅葉とコハクチョウが創り出す夢のコラボレーションも午前8時前にはほぼ幕を閉じることが多いようです。

■田んぼでのんびり食事タイム

鳥海山をバックにコハクチョウが群れる田んぼも秋の風物詩です
鳴き交わして仲間とのコミュニケーションを取っていました

 池から飛び立ったコハクチョウたちはどこに向かうのでしょうか。

 付近には、広い庄内平野があり、日中は、そこで落穂を拾うなどして餌を食べて過ごします。車で農道を走っていると、あちらこちらに白い点々が散らばっています。あまり近寄らないようにして、遠くからコハクチョウの様子を見守るとよいでしょう。北国からはるばるやってきた疲れを癒してほしいものです。

オレンジ色に染まるコハクチョウを眺めながら、夕刻を楽しみます

 早朝の“ねぐら立ち”が最大の観察ポイントですが、夕方の“ねぐら入り”も美しいものです。夕日を浴びてオレンジ色に染まる白い鳥が池を目指して隊列を組む様子を田んぼの脇から眺めるのも楽しいひと時となるでしょう。

・コハクチョウの渡来状況等、自然情報は「鶴岡市自然学習交流館 ほとりあ」のサイトからご確認ください。10月22日現在、約4,700羽のコハクチョウが飛来しているようです。

鶴岡市自然学習交流館 ほとりあ

・11月上旬の鶴岡市での日の出は、午前6時過ぎ。7時半頃まで観察すれば十分満喫できるはず。湯野浜温泉など近くの宿に泊まっている場合は、朝食の時間を相談するとよいでしょう。