■漁獲が認められているのは静岡1県2港のみ

静岡釜揚桜えび缶詰の外観と内観

 最後は「静岡釜揚桜えび缶詰」である。これも山梨罐詰が製造しているもので、釜揚げ(塩茹で)したサクラエビがそのまま入っている。

 サクラエビは資源管理が徹底されていて、漁獲が認められているのは静岡県の由比漁港と大井川港だけ。さらに、漁獲許可を受けた漁業者が水揚げ金額を均等に配分することで、業者間の過当な競争を防いでいる。魚介類の乱獲が目立つ日本の漁業において、珍しく先進的な取り組みが行われているのだ。

 漁期は春漁(3月中旬~6月初旬)と秋漁(10月下旬~12月下旬)の2回あり、春に獲れるものは成長した個体なので殻がやや固く、旨味が濃い。一方、秋に獲れるものは成長の途中なので殻が柔らかく、生でも食べやすい。

 と、これらは生で食べた場合についての、ぼくの感想であります。缶詰になった釜揚シラスと釜揚サクラエビは加熱してあるので、漁期によっての味の違いはまったくわかりません。

■香ばしい匂いが食欲をそそる

小さな目と細いヒゲが愛らしい

 静岡釜揚桜えび缶詰は、釜揚しらす缶詰の製造技術を生かして2024年に発売された。加熱したサクラエビは変色しやすく、好ましくない匂いが出ると言われているけど、この缶詰に入ったサクラエビは鮮やかなオレンジ色が保たれており、甲殻類特有の香ばしさがあって食欲をそそる。柔らかい殻の下には、さらに柔らかくぷりぷりした身が潜んでいる。

■ピンチョスにして花見のお供に

サワラ、シラス、サクラエビのピンチョス

 さて、これら3種の缶詰を持って向かったのは、近所の桜の名所であった。これらの缶詰を使ってピンチョスを作り、お花見を楽しもうという魂胆であります。

 バゲットにトマトを乗せ、缶汁を切ったサワラを乗せる。シラスとサクラエビは一緒に乗せて豪華ダブル盛りとした。あとはオリーブオイルをかけるだけで缶成だ!

乗せるだけで春っぽいピンチョスに仕上がる

 シラスとサクラエビのダブル盛りは、それぞれの味がちゃんと分かってウマかった。シラスはふわふわ、サクラエビはシャクシャクと食感が真逆なので、口の中が賑やかだ。サワラは砂糖しょう油味だったけど、ピンチョスにしてもまったく違和感がなかった。上からかけたオリーブオイルの香りによって“洋”の雰囲気も加わり、ピンチョスとして成立している。

 ちなみに、サワラ缶に入っていた甘じょっぱい缶汁は、ピンチョスを作る前にぜんぶ飲んでしまった。味付けが濃すぎないので、酒のアテにちょうどいい汁でしたぞ。

 

〈今回の情報〉

カンブリック「サワラのゆず醤油 75g」

山梨罐詰「静岡釜揚しらす缶詰40g」

山梨罐詰「静岡釜揚桜えび缶詰40g」