◼️水・電気・ガス。暮らしてわかるインフラ事情

 移住して気になったのが、生活インフラだった。

 水道水は衛生面の問題から、飲用にはあまり使われない。多くの家庭では飲料水用のタンクがあり、業者に水を配達してもらう。都市部ではごく一般的な仕組みだ。

飲料水用のタンク

 電気については、この10年で大きな変化があった。

 10年ほど前までは、計画停電が日常で、毎日決まった時間に電気が止まっていた。僕自身も、当時それを体験している。

 しかし、現在は大きく状況が改善され、停電はほとんどない。これは正直、かなり驚いた変化だった。

 ガスは日本のような都市ガスではなく、赤いボンベのLPGガス(プロパンガス)を使う。かつては一部の富裕層のものだったが、今では都市部の家庭では当たり前の存在だ。

ネパールで普及しているLPGガス

◼️ネパールにも忍び寄る中東情勢の影響

 ただ、最近は少し気になる動きがある。

 ニュースでも報じられているように、中東情勢の悪化による原油不足の影響が広がっているが、じつはネパールも無関係ではない。

 ネパールのガスはインドから輸入されており、そのインドは中東から原油を仕入れている。現時点では供給は止まっていないものの、リスクを見越して、ネパール国内ではガス販売が制限されている。値上げはされていないが、ガスを補充するとき、以前のように満タンにはしてもらえない。いまは、半分だけが基本だ。

 この措置がいつまで続くのかはわからない。そのため、節約を意識する人も増えているし、IH調理器を購入する家庭も増えているようだ。

 なお、インターネット環境については日本とほぼ変わらない。Wi-Fiはレストランや家庭に普及しており、日常生活で困ることはほとんどない。

◼️ネパールは安全?  それとも危険?

早朝6時ごろから公園に集って体操するネパール人も多い。ほのぼのとした光景が印象的

 カトマンズに限って言えば、治安は比較的いい。銃社会ではないため、銃犯罪はほぼない。体感としては、日本と大きく変わらない印象だ。

 ただし、油断は禁物。祭りの時期にはスリが増えるし、置き引きも普通にある。日本のように、落とした財布が戻ってくることは、まずない。

 夜も比較的安全ではあるが、暗い道を一人で歩くのはおすすめしない。2025年12月には、繁華街のタメル地区で、旅行者が夜中にホテルに戻る際に強盗被害にあったという話もある。

 とはいえ、個人的に一番気をつけるべきだと思っているのは、犯罪よりも交通である。

交通整理はされていないので、事故に遭わないよう注意が必要

 車、バイク、バス、人、すべてが入り乱れるカオスな道路。ルールはあるはずだが、あってないようなものだ。慣れるまでは、道を渡るだけでも少し緊張する。

 でも、これも何度も経験すると日常になり、あまり気にしなくなるのだから、人間の適応能力というものはすごいと思う。

 きっとこれからも、次々と知らないことに出会うはずだ。でも、それもまた当たり前になり、日常になる。そういう経験を、僕はこれからもこのカトマンズで繰り返していくのだろう。