◼️必要な資金を集めるためのクラウドファンディングもスタート
ちなみに、岩魚留小屋はかつて上高地に入るメインルートとして賑わっていた「徳本峠クラシックルート」の要所に建っています。島々から徳本峠小屋までは約8時間かかる(上高地までは、さらに3〜4時間ほど)ので、そこまで1日で行けない人には非常に有用な小屋でした。
しかし、釜トンネルの開通以降は徳本峠ルートを通過する登山者はすっかり減少してしまいました。そんな現代においては、岩魚留小屋を復活させる意義についても伺ってみました。
「通常の山小屋機能だけでは復活させる必要性は少ないかと思います。私たちは岩魚留小屋に宿泊すること自体が目的となるような小屋を作り上げたい。例えば、囲炉裏を活かした岩魚留小屋でしか食べられない料理、小さい規模感を活かした小屋番と宿泊客の距離が近い小屋、130年の歴史を感じ、登山の新しい楽しみ方を発見できる小屋を目指します」
昨年は小屋に残置された不用品を撤去するイベントを開催するなど、多くの協力者を集めたが、今年は“小屋再生の第一歩”として登山者が利用できるトイレの修繕を計画しているそう。必要な資金を集めるためのクラウドファンディングもスタートしています。目標額の500万円はトイレ(浄化槽)の設置費用の一部として活用する意向です。
「少しずつプロジェクトの周知は進んでいるものの、岩魚留小屋を再生する意義や、将来私たちがどのような小屋にしていきたいかという方向性については、まだまだ伝わっていないと感じています。私たちは、単に古い建物を直したいわけではありません。岩魚留小屋という場所を起点に、再び人が集い、山を愛する文化が循環する未来を再建したいと考えています。今回のクラウドファンディングを通じて、小屋の将来性について幅広く発信できれば」と塩湯さんは意気込みます。
クラウドファンディングのページには、より詳しい彼らの意気込みが書き綴られているので、ぜひ覗きにいってみましょう。あなたも、歴史ある山小屋が再び未来に向かって歩き出す貴重な瞬間を手伝ってみてはいかがでしょうか。