自然の雪山、世界に誇る日本のパウダースノーは世界中のスキーヤー、スノーボーダーを虜にしている。しかし、残念ながら今シーズンも連日のように雪山での事故が起こっているのも事実。

 多くのバックカントリースキーヤー、スノーボーダーはスキー場を経由し、管理区域外の雪山へと出ていくことが多い。そのため、スキー場は本来、管理区域外であるが、利用者に対してゲートの設置、安全面への呼びかけなどを積極的に行っている。

 群馬県みなかみ町の「Mt.T (マウントティー)by 星野リゾート」(以下Mt.T)は、昨シーズンから山岳救助隊との救助連携に取り組んできた。今回、群馬県警察にその貢献が認められ、感謝状が授与された。

■yukiyama アプリとの共同開発の新機能は、迅速な位置特定と救助支援を可能に

位置特定が早ければその分、救助も迅速になる

 Mt.T では、2025 年よりyukiyama アプリを活用した雪崩事故対策を開始。今シーズンから、共同開発した新機能を活用したさらなる機能拡張を実施。従来の「ユーザー同士の位置確認」から「救助・管理側へのリアルタイムな情報共有」へと進化させた。

 これにより、現場のスマートフォンだけでなく、Mt.T オフィス内のパソコンで、正確かつリアルタイムな位置把握が可能となった。さらに、警察等への関係機関へログイン権限を遭難事故発生時に共有することで、事故発生時に管理画面を通じて、直接情報を確認できる体制を構築。

 また、昨シーズンまでは特定のグループ設定が必要であったが、現在はアプリでチェックインさえしていれば、万が一の際に、施設側が居場所を特定できるようになった。

 今シーズンは、実際にこれらの機能を活用して救助サポートを行った実績が、今回の感謝状授与につながったという。

■システムだけではない、レンタルや育成など継続的な安全対策への取り組み

アプリだけに頼ることなく総合的に安全面を強化

 アプリの運用だけがMt.T が取り組む対策ではない。スキー場では唯一、JAN(特定非営利活動法人日本雪崩ネットワーク)の団体会員に加入し、JAN が日々、配信する雪崩関連情報を発信している。

 また、ビーコン、プローブ、ショベル、バックパックのレンタル、ならびにビーコンチェッカーの設置なども行っている。

 そしてハード面だけでなく、定期的に専門家によるスキーパトロールの育成プログラムを実施するなど、このような総合的な安全対策も今回の感謝状授与への要因となったのではないか。

アバランチギアのレンタルがあるスキー場は珍しい

■近くてよい山は首都圏からのアクセスもよいパウダーフィールド 

降雪後は絶好のパウダースノーを楽しめるMt.T

 群馬県と新潟県の県境、Mt.Tが位置する谷川岳は、冬、国内でも有数の豪雪地帯として知られ、首都圏から約2時間というアクセスの良さもあり、豊富で上質なパウダースノーを求めて、国内外から多くのスキーヤー、スノーボーダーが訪れる。

 バックカントリーフィールドのみならず、Mt.Tはコースの大半が非圧雪となっているため、スキー場内でも十分にパウダースノーを楽しめる。リフトは3本と小規模に感じられるが、約3kmに及ぶ田尻沢コースなど、パウダー好きには大満足の滑り応え。

特徴的な双耳峰も冬は白く染まる

 いくらシステムが進化しても、大事なのは事故を起こさないこと。危険度も高い雪山で遊ぶということは、我々利用者が意識、知識、技術、経験、装備など万全な準備を必要とされる。もちろん自然の中で絶対に安全ということはないが、できる限り、そのリスクを減らすように努めたい。天候や雪の状態を把握し、無理に出ないという選択肢もしっかりと持っていたい。

 そして、何より自然に対して、日々、安全に対して従事していただいている関係者への感謝と謙虚な気持ちを忘れずに、今シーズンも楽しく安全に雪山を楽しもうではないか。

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