■活火山の迫力を間近に感じるダイナミック外輪山登山!

樹林帯を抜けた先の槍ヶ鞘。浅間山を正面に見据える展望スポットだ

●高峰高原から樹林帯を抜けて、槍ヶ鞘へ

ゴロゴロ転がる岩の合間を縫うように進む登山道。なだらかで歩きやすい

 高峰高原ビジターセンターを出発し、樹林帯の中をゆるやかに進む登山道を歩く。岩場が中心の登山道だが、道標が多くあり道迷いの心配は少ない。標高はおよそ2,000mとあって、夏でも空気はひんやりと涼しく、快適なスタートが切れる。

 30分ほど歩くと徐々に視界が開けてきて、小諸や佐久の街並みが見渡せる。さらに進むと、見慣れない倉庫のような建造物が現れる。中は空洞で、ヘルメットなどが保管されたロッカーがあり、それが噴火発生時の避難シェルターだということに気づく。浅間山が活火山であることを改めて思い知らされた。

 シェルターから15分ほど歩くと、徐々に木々が低くなり、一気に視界が開ける。眼の前にはどっしりとした浅間山の姿を捉えることができる。ここは槍ヶ鞘(やりがさや・2,281m)と呼ばれる展望スポット。ここで一息つき、活動を続ける火山の息吹を感じるのも良いだろう。

有事に備える避難シェルター。登山者も万全の装備で登山に臨みたい

●槍ヶ鞘から岩場を越えて、トーミの頭へ

岩場を見上げる先には「トーミの頭」を示す標柱が立つ

 次第に木々は低くなり、視界が一気に開ける。断崖に沿って整備された細道を抜けると、トーミの頭に到達。ここが本ルート最大のビュースポットのひとつであり、目の前には火口と浅間山驚くほど近くに迫る。

 その姿はまさに迫力満点。山体には無数の噴火跡が刻まれており、黒褐色の岩肌と、噴煙を上げる山頂の対比が印象的だ。写真撮影のベストポイントでもあり、多くの登山者がここで足を止める。