■3. 上下セパレートの防水透湿効果の高いレインウェア

上下セパレート、モンベルのレインウェア
脇部分に通気性をよくするベンチレーションがついているレインウェアもある

 雨の日は登らないから、不要だと思うかもしれないがレインウェアは必ずそろえたい道具の一つ。

 雨予報でなくても、山では突然雨に降られることも。雨の日だけでなく、レインウェアは風が強いときや、寒いときの一時しのぎにも着用できる。晴れの日でも、登山道脇に植物がたくさん茂った場所を通ると、朝露でウェアが濡れることがある。そんなときもレインウェアは役に立つ。また、足元がぬかるんでいるとき、下のズボンを履くだけで汚れ防止にもなる。天候に関係なく着用できるシーンは多い。

 また選ぶ際は、上下セパレートタイプのレインウェアが登山に向いている。ポンチョタイプと比べて、風にあおられて転倒する心配も少なく、足さばきもよく歩きやすい。下半身がすっぽりと覆われるため、寒さ対策にもなる。

 ポンチョタイプと比べてズボンの着用に手間がかかるが、慣れてしまえば問題ない。裾部のジッパーを開けると、登山靴を履いていても脱ぎ着しやすい作りになっているものが多い。

 また、防水透湿効果の高いものが登山に適している。雨の侵入を防ぎ、内部にこもった湿気で、服が蒸れたり濡れたりしづらいようになっている。

 ポンチョタイプのレインウェアで寒そうな登山者を見かけたことがある。

 2023年9月下旬、北海道大雪山山系の旭岳(標高2,291m)に登ったときのこと。その日は朝から曇り空、雨を想定しての登山となった。しかし、観光地だけあって多くのハイカーが山頂に向かう。予報通り雨が降ってきたので、筆者らはレインウェアを着用。9月下旬の旭岳、風が強く気温は低い。ふとまわりを見渡すと、ポンチョ姿のハイカーが多いことに気がついた。ポンチョは風にあおられ、めくれ上がり下半身は雨に濡れていた。

 なかでも100圴で購入したと思われる透明なポンチョは、外から見ても全身ずぶ濡れなのがわかり、レインウェアの意味をなしていない。しだいに雨はあられへと変わる。登山道脇でうずくまる人や体をさすって温め合う人たちが大勢いた。そんな中でも、上下セパレートタイプのレインウェアを着用している人は、問題なく登山していた。筆者も登っている間はそこまで寒さを感じることなく、無事旭岳に登頂。

 登山では何かと着用シーンが多いので上下セパレートのレインウェアを1着購入しておくと雨だけでなく、汚れ防止など、さまざまな状況で有効に活用できる。

■道具をそろえて登山をはじめてみよう

 以上、初心者がそろえたい登山道具3点を紹介した。

・ハイカットの登山靴
・30〜40Lのバックパック
・上下セパレートのレインウェア

 これらは、登山初心者に聞かれたら筆者が必ずおすすめしている道具だ。まずはこの3点があれば幅広く登山できるので、道具をそろえて登山をはじめてみよう。きっと素敵な景色に山で出会えるはずだ。