■ベテラン勢と若手が競い、白熱したレース本番

シニア男子優勝の島徳太郎。登りの強さ、スキー技術ともに頭ひとつ抜きんでている印象がある

 決勝は、ユース、ジュニア、シニアの順で男女別に行なわれる。4月後半という時期に加えて、前日には季節外れの暖かさとなり、大会当日は水分を多く含む雪となった。前日ほどのストップ雪ではなかったが、足を取られやすいトリッキーな雪質である。滑走中に足を取られたり、ゴール前のヘアピンカーブで転倒したりする選手も見られた。

 シニア女子部門では、スタート直後に青木聖美が飛び出したが、最初のトランジット後は、上田絢加、田中友理恵、滝澤空良が前へ出た。最後は、今シーズン好調の上田が、第16回・第17回大会と2連覇中の田中を振り切ってトップでゴール。初優勝を飾った。3位は過去に優勝経験もある滝澤空良となった。優勝した上田は「昨年は体調不良で4位だった。今年は一から出直すつもりで取り組み、今日もチャレンジャーの気持ちで臨んだ。これまで応援してくれた方たちに感謝したい」と話した。

 シニア男子部門は、島徳太郎が安定的な実力を発揮し、優勝した。2位は島と同様、日本代表として世界の舞台で活躍する遠藤健太。3位はシニア部門最年少の若手、萩原悠己となった。今年で大会4連覇となり、名実ともに日本のトップ選手である島は、「予選から手を抜かず、最後まで力を発揮できた。SKIMOは登りや滑走、スケーティングといった複合的な要素があるスキー競技。SKIMOの楽しさと魅力を次世代に伝えていきたい」と語った。

シニア男子部門のフラワーセレモニー。優勝・島徳太郎(中央)、2位・遠藤健太(左)、3位・萩原悠己(右)

 ベテラン勢の活躍とともに、若手の台頭も感じられた今大会。ジュニア・ユースのレースも白熱し、SKIMOの将来を担う選手が育っていることが垣間見られた。2026年のオリンピックだけでなく、その先も見据えて、SKIMOが広く普及することを期待したい。

 なお、オリンピックの出場枠は全部で男女各18枠、36名。アジア大陸枠は中国が有力で、日本は来季のワールドカップ第1戦で出場枠の獲得を目指す。

SKIMO総合情報サイト「SKIMO JAPAN」:https://jmsca-skimo.org/