■3:岐阜県「清流の国ぎふ」観光振興事業費補助金 

今後振り返っていくが、おかげでさまざまな開拓イベントが実行できた

 資金調達は続く。次に狙うは、岐阜県の「清流の国ぎふ」観光振興事業費補助金。この補助金は、岐阜県内の観光資源を活かした地域活性化事業に対して支給されるもの。まさに、サウナ村のコンセプトとドンピシャだった。

 とはいえ、簡単に補助がもらえるわけではない。事業計画の提出、採択審査、経費の精査……と、なかなかのハードルがある。それでも、これが通れば村づくりの開拓イベントにかかる費用をカバーできる(こちらもハード整備には使えない)。

 イベントは、単なる集客目的ではなく、「この村はみんなで作る」という意識を広める場として重要だった。ツリーテラス、バイオトイレ、愛農竈門、蒸し風呂、和セイロ料理などなど各分野の専門家を講師として招き、イベントを通して「共に作るサウナ村」という形を目に見えるものにしていくのが狙いだ。

 これまた、事業計画づくりから申請書づくりまで、本当に本当に本当に大変だった。でも事業費の1/2が出ると思えば、ある程度の苦労は当然のこと。必死で頑張ってなんとか申請までこぎつけ、審査の結果無事に採択を得たのである(他に国の観光開発補助金も受けたが、そちらはあえなく落ちました。簡単じゃないんです……)。

■4:クラウドファンディングへの挑戦 

目標金額200万を超える「2,487,811円」のご支援をいただいた

 まだまだ資金が足りない。特に補助金でカバーできないハード面の整備費用だ。そこで人生初のクラウドファンディングへの挑戦を決めた。どんなに「循環型のサウナ村を作って限界集落と美しい自然を守りたい!」と熱く語ったところで、本当に支援してくれる人がいるのか?  これは正直、不安だった。

 書き方やリターンの内容、公開前にやるべきことと公開後の動き方など、わからないことばかり。クラファン関連の本を読み漁ったり、他の成功事例もチェックしたりして、なんとか形にしていった。正直もう同じことは2度とできないかも、ってくらいにエネルギーを使ったが、公開した結果は…… 大成功!!

クラファンでこの取り組みを知り、村づくりに参加してくれる人も増えた

 151人からの温かいご支援をいただくことができ、資材購入費を得られたのはもちろん、支援者とのつながりが生まれ、「これはみんなのプロジェクトだ!」という意識が醸成された。資金以上に、想いに共感する「仲間が増えたこと」が大きな財産になり、自信にも繋がった。本当に感謝の気持ちでいっぱいになった。  

■5:大事なのは「とにかく行動を起こす」こと

 最初は「どうやって資金を集めればいいのか?」と途方に暮れていた。でも、実際に思いを口にし、動いてみると、今まで知らなかった色んな制度や支援の仕組みがあることに気づかされた。そして、それを活用するためには、「とにかく行動すること」が何より大事だということも学ばせていただいた。

 資金がなければ、ただの妄想で終わる。でも、資金を集める努力をすれば、妄想は現実になっていく。  

 集まった資金はあくまで必要最低限なものなので、安全面強化や魅力と満足度を上げるための資金はまだまだ集めていかないといけない。でも、とりあえずこうして一歩ずつ前進している。今はまだ実感はないが、きっと成長もしている……はず!

 正直、この金策祭りでかなりエネルギーを消耗してしまったが、ここで燃え尽きてる場合じゃない。あとは、この熱い想いを形にする番だ。次回から、ようやくサウナ村づくりの現場の様子をお送りしていきたいと思う。