■気になる今年の開花状況は

取材日には、まだ硬いつぼみの株もありました
これからの満開の風景を期待させてくれる株も

 例年、3月中旬から4月上旬が見頃となるミツマタですが、今年は気温が低かった影響もあり、やや開花が遅れているようです。取材日(3月12日)は、気温はそれほど低くはなかったものの、小雨が降る天候でした。ほぼ満開となっている株もありましたが、それは少数。ほとんどが1~3分咲きといった感じでしょうか。まだつぼみのふくらみが弱い株もあり、見頃はもう少し後という印象でした。逆にそれくらい開花状況に差があるということは、長く花を楽しめるということかもしれません。

 この付近のミツマタは、暖かい日が数日続くと、一気に開花が進むとのことでしたので、この記事がリリースされる頃には、まもなく見頃を迎えるのではないかと思います。

■ミツマタの花を楽しむには

雨の日は、花についた水滴も見つめてみたいものです。「映え」が期待できるかもしれません
運よくシジュウカラがやって来ました。ミツマタがもう少し咲いていれば……

 この日は、あいにくの雨模様。そのため、訪れる人もほとんどおらず、私だけで長時間ミツマタ群落をぜいたくに独り占めできました。花についた水滴をじっと見ていると、奥のミツマタの花が写り込んでいることに気づきました。雨ならではの発見です。

 また、ウメやサクラにはメジロやヒヨドリがたくさん集まり、多くのカメラマンが撮影するのですが、ミツマタには、あまり野鳥がやって来ません。甘い蜜が出ないのでしょうか。もしくは、筒状の花の形が、蜜を吸いにくくしているのでしょうか。それだけに、たまたまやってきたシジュウカラとミツマタのコラボを撮影できたのはラッキーでした。低木で枝が込んでいるミツマタと野鳥を一緒に撮影するのは、なかなか難しいものです。

ミツマタを上から見ると、白い筒状の部分が目立ってしまいます
下向きに咲くミツマタは、下から見上げるように撮影するのがコツ

 これから満開となり見頃を迎えるミツマタですが、花はやや下を向いて咲きます。ですから、横や上から撮影していると、筒状の白い部分だけが目立ってしまいます。少し下から見上げるようにして、周囲の暗いスギ林等をバックにすると、黄色いポンポンが映えるように写せます。見頃を前に自宅でイメージトレーニングをしておきましょう。

 東丹沢の穴場的存在である「ミツマタ桃源郷」は、大平登山口にもなっているので、高取山・華厳山・経ヶ岳・仏果山へと相州アルプスの縦走も可能です。登山の行き帰りに立ち寄ることもできますので、登山派の方も楽しめます。

 また、駐車場も完備されていて徒歩0分で現地ですので、ご高齢の方でも安心して鑑賞できるのも、他とは違うところ。私も、高齢の両親を連れて再度訪問するつもりです。

 

【アクセス】
車:大厚木カントリークラブの中を通る道を進みます。道が細く一部未舗装ですし、ゴルフカートも通行するので、低速で慎重に運転を。途中に案内板が数か所あり、突き当りにゲートがあります。そこを開けると中に駐車スペース(10数台可)があります。
徒歩:小田急本厚木駅北口から神奈中バス「半原」行きに約20分乗車し、東谷戸入口下車、約50分。ゴルフ場内を通る道では、コースアウトしたボールが飛んでくる可能性もあるので特にご注意を。
【その他】
最も近い高取山へは登り2時間程度。ただし、雨の日はとても滑りやすいのでお気をつけください。