■もみじ台から静かな山道を通り小仏城山へ。山頂から望む関東平野と富士山。そしてロウバイの花
もみじ台で富士山を満喫したあとは下山してもいいが、余力のある人は、隣の小仏城山へ行ってみるのもおすすめだ。この時季の風物詩と共に紹介したい。
もみじ台からは約1時間ほどで、アップダウンを繰り返すが、勾配は比較的緩やか。登山道もしっかり整備されているため歩きやすい。小仏城山へと到着すると待っているのは、関東平野を一望できる景色だ。

高尾山山頂と同様に富士山の景色も楽しめるが、小仏城山からはロウバイの花も同時に楽しむことができる。ロウバイは中国から渡ってきた落葉低木の一種で、日本へは江戸時代に入ってきたとされている。1月ごろから開花し始める。ロウバイは黄色い小さな花を咲かせ、特有の香りも楽しめ、香りと共に春の訪れを感じさせてくれるだろう。
■日の当たらない樹林帯で見つける「シモバシラの花」

小仏城山へと向かう高尾山山頂付近の樹林帯では足元を気にしながら歩きたい。日中でも日の当たらない場所では冷え込んだ日に見ることができる花がある。
シソ科の「シモバシラ」は多年草であり、9〜10月に白い花を咲かせる。冬になると地上部は枯れてしまうが、根から吸い上げられた水分が地上部の枯れた茎から染み出して氷点下の外気に触れて氷の結晶となる。それがいくつもの層になって「氷の花」となる。お察しのように「シモバシラ」の名前の由来は「霜柱」。3月になり冷え込みは緩み、見られないこともあるが、もしも咲いていたら冬に見るよりも貴重なため、咲いているのを探しながら歩こう。
標高の高い山域で春の訪れを感じられるのはもう少し先のこと。まだまだ寒の戻りがあり寒い日もあるが、早春の高尾山へと足を運んでみてはどうだろうか。
高尾山は標高はさほど高くはないが、防寒着を忘れずに持っていくことと、念の為チェーンスパイクなど滑り止めもあると安心だ。
【コース】所要時間
高尾山口駅(0:00)→清滝駅(0:05)→高尾山(1:57)→もみじ台(2:05)→小仏城山(3:04)→清滝駅(5:35)→高尾山口駅(5:40)
歩行距離:約11.7km
累積標高差:登り 899m、下り 899m
合計所要時間:5時間55分