■3〜4人でのグループ登山

複数人での登山はわいわいと楽しい

 4人だと2人ずつで分かれやすいが、これくらいの人数であればグループとしてのまとまりは比較的保ちやすい。選ぶ山のレベルにもよるが、このあたりから山行計画や休憩の采配などリーダー的存在が重要になってくる。行動食のシェアや賑やかな会話などグループならではの楽しさも多い。

 筆者は友人1人、初対面2人の合計4人でグループ登山をしたことがあるが、全員で会話しやすく打ち解けやすかった。また、お互いに目が届きやすいので、初心者を交えての登山もフォローしやすい。

メリット
・怪我・体調不良者が出ても、付き添いと救援で役割を分担できる
・共通の友人がいれば初対面の人とも打ち解けやすい
・行動食や装備を分配できる
・経験者豊富なメンバーがいれば、ソロでは難しい山にも挑戦しやすい

デメリット
・リーダー的存在が機能しないと、歩行スピードが合わず休憩も適切に取りづらい
・山行計画や当日の判断などリーダーの負担になってしまう可能性もある

■5人以上のグループ登山

 筆者は登山初心者の頃に10人近くのグループ登山をしたのだが、みな歩行スピードが速くかなり大変な思いをした。死に物狂いでついていった苦い記憶がある。

 リーダーが歩行スピードや休憩の采配を調整する必要があるのはもちろん、メンバーの技量に合わせた山行計画が重要になる。経験者が多ければ初心者をカバーしやすい反面、人数が多い分グループがばらけやすいので、歩く速度や体調不良者がいないかなど気にかけなければならない。

 体力や技量が最も不足しているメンバーに合わせられるか、例えばそれを補う隊列を組めるかなど、危険の予防や予知の知識と配慮も必要になってくる。

 とはいえ大人数での登山は活気があり、わいわいと楽しい雰囲気がある。荷物を大勢で分配できるので、食料を持ち寄って豪華にランチをするなどの楽しみもある。

メリット
・全員の経験が豊富ならスムーズに登山でき、リスクもカバーしあえる
・有事の際にも分かれて行動できる
・色々なメンバーと関われる
・行動食や装備を分配できる
・経験者豊富なメンバーがいれば、ソロでは難しい山にも挑戦しやすい

デメリット
・リーダーやサブリーダーの能力によってグループの安全が左右されやすい
・登山レベルの差があったり、歩行スピードなどでグループが分断しやすい
・山行計画や現在地の把握をリーダー任せにしてしまいやすい
 そのような場合に滑落や遭難ではぐれてしまうと対応が困難になることがある

■参加メンバーの技量もふまえて、安全に登山を楽しもう

安全に楽しく山に登ろう

 登山は行く人数やその相手によっても楽しみ方が変わってくる。山頂へのチャレンジか、景色をゆっくり楽しみたいかなど、目的によって適した人数も違うだろう。

 今回紹介したのはあくまでも筆者の体験によるもの。ほかにも色んなケースが考えられるが、一例として参考になれば幸いだ。

 ソロでも複数の場合でも、技量やスケジュールに余裕をもって安全に登山を楽しんでほしい。