野外道具研究家として、2024年もさまざまな道具を試してきました。

 2024年に購入した道具の中から「買って良かった! 使って良かった!」と感じる道具を、ランキング形式で10点紹介します。まずは前編として、10位から6位までの5点を紹介します。

■10位:厚底シューズの魅力を再認識するアシックスの名作

日本人の足形に合ったランニングシューズを作り続けるアシックスの厚底トレランシューズ

 シューズの進化は驚くほど早い! 2024年は厚底シューズの躍進が目立った年でした。個人的には厚底シューズは2018年にも履いていましたが、今年はより本格的に履き始めた一年でした。

 なかでも、アシックスの「トラブーコMAX3」は、クッション性が高いのに安定感があり、安定感があるのに推進力もある印象的な一足でした。荒れた登山道の多い低山をジョギングしている私には、保護とクッション性のバランスがちょうど良かったです。

ソール部分には分厚いFFブラストプラスのクッション材を採用。つま先がそり上がった形状で、足が転がるように進むことができる

 近年、アシックスはマラソン界でも急激にシェアを広げている注目株。厚底なのに安定感に優れるという、技術をふんだんに盛り込んだ仕上がりです。

オリジナル素材ですが、グリップ力が素晴らしく、地面との接地面積も絶妙。グリップ力は高いけど抵抗感を感じにくい設計です

 ミッドソールに使われているFFブラストプラスは、日本の登山道からアスファルト道までほど良いクッションと反発が得られます。また、泥や砂が多い日本の登山道で重要視される滑らないソールですが、オリジナルのアシックスグリップが粘っこさを発揮し、とても滑りにくく感じました。

 日本メーカーの作る長距離トレイルランニングを目的とされた、足に優しいシューズです。

■9位:突然人気になったモンベルの新作水筒

こちらは1.5L。他のサイズも気になって店頭に見に行くが、売り切れ店続出

 9位には、今年の発売以来、完売が続いているモンベルの「フレックス ウォーターパック」を選びました。人気の秘密は、臭い移りの少ないポリエチレン素材を採用していることと、やっぱり蓋の構造にあるのではないでしょうか。

 私は水筒好きを自認していますが、いつも一番気にしているのが蓋の完成度です。例えば、アウトドアでの定番であるナルゲンボトルは、研究室用のボトルなどを製造しているメーカーで、液漏れや液ダレ厳禁の場所で培われた蓋の構造は、水を大切にするアウトドア環境でも使いやすいことが大ヒットの要因となりました。

 同様に、このフレックス ウォーターパックの蓋のねじ切りも、絶妙に締まりが良く、蓋を回した時の安心感があります。蓋をなくさないためのヒモも、アウトドアボトルでは定番ですが、邪魔になることが多い! その点、このボトルは邪魔にならない工夫が施されていてます。

持ちやすいように指を入れられるループ付き。キャップ紛失防止のヒモは極細で動きが非常に滑らか

 他のボトルにも使われている口径42mmを採用しているので、今回のヒットでオプションパーツが販売されるのが楽しみな水筒です。