●晴天なら富士山も! 天覧山&多峯主山で関東平野を一望!
小学生の遠足コースにもなっている天覧山は、地域ぐるみで愛されている里山だ。整備された遊歩道と、豊富なコースが魅力で、多くの人が自然とのふれあいを楽しんでいる。
能仁寺の境内から天覧山山頂に至るコースが複数用意され、なかにはアップダウンを繰り返すコースもあるので、体力に合わせて選択しよう。中腹には東屋とトイレが備わっているのでありがたい。中腹以降の天覧山、多峯主山(とうのすやま)山頂にはトイレがないので、ここで済ませておくといいだろう。
ふもとの能仁寺を出発して、20〜30分で山頂に着く。標高197mだが、山頂の景色は遮るものの少ない関東平野ならではといえる。空気の澄んだ晴れた日には富士山まで見通せる。天覧山山頂は整地されており、広々とした展望台になっているので、ゆっくり過ごすことができる。
天覧山で休憩をとったら、次は本コース最高地点の多峯主山を目指す。コースタイムは50分、距離にして1.6kmの道のりだ。しっかり準備を整えてから出発しよう。
多峯主山も、天覧山と同様に整備の行き届いた歩きやすい道が続く。案内表示も明確で道迷いの心配は少ない。道中は木々に囲まれて景観はなく山頂までのお楽しみ。
前方が明るく開けたら、いよいよ山頂が近い。山頂には2組のテーブルと複数の長イスが設置されている。以前筆者が登ったとき「このイスは私が作ったんだ」と笑顔で教えてくれたボランティアの男性と出会った。会話も弾み、一緒に下山し、駅前でビールをごちそうになったのはいい思い出である。また、初夏の頃に登った際は、山頂に鯉のぼりが飾られていた。それもきっと、天覧山・多峯主山を愛する地域の方の手によるものだろう。この山が地域ぐるみで大切にされていることを実感した出来事だった。
寒くなる冬の時期も降雪の心配は少ないので、冬季の登山にもおすすめできる山だ。東京方面が一望できる飯能アルプスからの景観をぜひ楽しんでほしい。
●下山後のお楽しみ! バスで行く宮沢湖温泉
さて、最後に下山後におすすめのスポットを紹介しよう。低山とはいえ冬山は寒さが堪えるので、登山帰りに立ち寄りたいのは温泉だ。飯能市には、駅からバスでアクセスできる温泉スポットがあるので、ぜひそちらに足を運んでほしい。
飯能駅北口から出ている路線バス「イーグルバス」に乗り、20分ほどで「宮沢湖温泉」に到着する。露天風呂にサウナ、炭酸泉まで揃っているので、身も心も温まること請け合いだ。