■チューブツェルトって、どんなもの?

名前の通り、チューブ構造の軽量シェルターです(ファイントラックHPより)

 ファイントラックのチューブツェルトは、もともとグループ山行における軽量シェルター、あるいは山岳ガイドの緊急避難用として作られたものです。

https://www.finetrack.com/products/outdated/zelt-tube/

 筒状の布を両端のコードで絞って使うシンプルな構造にも関わらず、細かいところまで考え抜かれた素晴らしいシェルターといえるチューブツェルトですが、あまりにニッチな製品のためか、残念ながらメーカーでは廃盤となってしまいました。

メーカーが提案する使い方。残念ながら現在は廃盤(ファイントラックHPより)

 これに似た製品がモンベルでも販売されていました(製品名「はマルチチューブシェルター」)が、こちらもすでに廃盤のようです。

こちらもすでに廃盤(モンベルHPより)

 まだ現行品として販売されていた2018年にメーカーHPでチューブツェルトを見つけるなり、「ハンモックに組み合わせたら絶対面白いぞ!」と感じた私は、すぐに取り寄せて実験を試みました。手持ちのハンモックに被せて使うために、少しだけ手を加えてみた(ガイラインを工夫したくらい、本体を切ったり縫ったりの大掛かりな改造はナシ)ところ、まるでハンモック用に作れられているのではないかと思えるほど完璧なフィット感に興奮してしまいました。

木と木の間に一本ロープを張りツエルトの天頂部を吊り下げて設営する
設営完了。ペグダウンはサイドリフターの2か所のみ

■ハンモックをすっぽり覆うサイズ

冬のハンモック泊にて。荷物は全てツェルト内に収納している

 全長は320cmあり、一般的なハンモックなら完全に覆えます。筒の直径は適度にゆとりがあるので、シェルター内(ハンモックの下)に荷物を置くこともできます。

片側を開けて中を覗いた状態、きちんと設営できれば幕体が体に触れることはない

 外から引っ張ることでシェルター内の空間を広くできる「サイドリフター」が標準で付いています。ハンモックに組み合わせるときもサイドリフターを使えば、幕体が体に干渉するのを防げます。