■山頂付近一帯が見晴らしよい展望台
クマザサで覆われた真ん中を通る道を気持ちよく歩いていく。避難小屋を通り過ぎたあたりから、どの方角も絶景すぎて、あたりを見回すのに忙しい。写真を撮ってばかりでなかなか前に進まない。この道からはなんと、23座もの百名山が見えるとか! 東には南アルプス、北には中央アルプスと御嶽山、すぐ南には恵那山と、ぐるっと取り巻くように山々が見えるのだ。
この日は360度のパノラマが広がっていて、登山者もみなニッコリと写真撮影に没頭していた。特に御嶽山や北アルプスに雪がついているのが、白くくっきりと見えて嬉しかった。
山頂はどこかと思いながら歩いていたら、少しこんもりとしたところに人だかりがあって、そこが山頂なのだと分かった。富士見台高原は山頂付近一帯がずっと見晴らしがよく、そこが人気の理由なのだなと実感した。
富士見台高原から神坂山(1,685m)へ歩いていると「落雷遭難の碑」に足を止めた。ネットで調べると、地元の中学生が1955年に落雷で命を落としたとあった。このような広大な野原で雷が鳴ることを考えると恐ろしいと思った。落雷遭難の碑の近くには神坂小屋と呼ばれる立派な避難小屋がある。不運にも雷が近づいた場合は利用すること。