●国師ヶ岳と北奥千丈岳、どちらから行こうか悩む分岐点

 前国師ヶ岳を過ぎると、登山道は木道から林道へと変化し、すぐに分岐が現れる。進行方向右手に進むと「北奥千丈岳」だ。北奥千丈岳(きたおくせんじょうだけ)は山梨県山梨市に位置し、標高は2,601mで奥秩父山塊の最高峰だ。山頂は360度の展望が得られ、晴れた日には南アルプスや八ヶ岳、北アルプス、浅間山などを眺められる。

 一方左手側は、山梨県山梨市と長野県南佐久郡川上村にまたがる奥秩父の名峰「国師ヶ岳(こくしがたけ)」に通じている。国師ヶ岳の標高は2,592m、日本三百名山および山梨百名山に数えられている。

 いずれの山頂も、分岐点から15〜20分程度で登頂でき、登山道も歩きやすいので両ピークとも登って景色の違いを楽しんでほしい。

●奥秩父最高峰「北奥千丈岳」と山梨百名山「国師ヶ岳」贅沢2座登頂

青空のもと、奥秩父最高地点から遠く南アルプスを望む

 最初に紹介するのは、360度パノラマ展望の「北奥千丈岳」。分岐から歩くこと20分。道のりも険しいものではなく、周囲の木々やキノコを愛でながら歩いていると、あっという間に着いてしまうだろう。

 山頂からの景色はすばらしく、金峰山の五丈岩(ごじょういわ)もくっきりと見ることができる。遠くに目をやると、南アルプスの名峰がずらり。いつまでも眺めていたい絶景だ。

 その後は来た道を分岐まで戻り、次に目指すは「国師ヶ岳」。こちらも分岐から15分で登頂できてしまうから、うれしい限りだ。

 国師ヶ岳山頂には、「山梨百名山」を示す標柱が立っており、登頂の喜びを一層感じられることだろう。ちなみに筆者にとって、国師ヶ岳は45座目の山梨百名山となった。もうすぐ折り返しだが、先は長い。1座ずつマイペースで登っていきたいと思う。

 あいにく雲が多く、国師ヶ岳では景観が得られなかったが、帰り道でも多くの植物やキノコが登山者を楽しませてくれた。2時間程度の短いコースだが、満足度は高く、ビギナーにもおすすめだ。

まるでチーズを乗せて焼いたような、おもしろい見た目のキノコに出会った

●下山後のお楽しみ!「笛吹川フルーツ公園」で旬のぶどうを満喫!

 大弛峠と奥秩父の山々を満喫したあとは、山梨県のおいしい果物を食べに寄り道してみよう。おすすめは「笛吹川フルーツ公園」。今の時期は「シャインマスカット」や「藤稔(ふじみのり)」、「ピオーネ」などさまざまなぶどうが食べられる。周辺の果樹園でぶどう狩りを楽しむのもいいだろう。お土産にも最適だ。

 また、笛吹川フルーツ公園の近くに「ほったらかし温泉」という秘湯がある。標高約700mの高台にあり、富士山を正面にして、甲府盆地を一望できる絶景露天風呂。朝は日の出前から入浴可能な点も魅力的だ。興味のある方は、ぜひ登山帰りに汗を流しに立ち寄ってみてほしい。

●【MAP】大弛峠

●【MAP】北奥千丈岳

●【MAP】笛吹川フルーツ公園