■愛くるしいシマリスは、赤岳のアイドル!

望遠レンズを持ってこなかったのが悔やまれるほどシマリスがあちらこちらにいました。なんとか薮の中で捕食中のリスを撮れました

 登山道にはシマリス目当てのカメラマンも多く訪れており、太くて長いレンズを付けたカメラ片手にじっとシャッターチャンスを狙っています。これほど多く、白い鏡筒の望遠レンズを登山中に見るのは初めてのことで、少々びっくりしました。珍百景に登録したいくらい!?

駒草平。背後にはシルエットで勇ましい山容が広がっています。遠くは道東の山も確認できました

 広くなだらかな尾根の上を行くように刻まれた登山道は、存分に景色を楽しみながら歩くことができます。すでに紅葉が終わってしまったナナカマドですが、今度は鮮やかな赤い実を付けており、それらがハイマツの緑と澄んだ青空に鮮烈なコントラストを見せてくれていました。

 ゴロゴロと転がる石も多いので、景色ばかりに見とれすぎないように足元をしっかり確認しながら、ゆっくりと登っていきます。

■荒涼とした山頂部は、開放感バッチリ!

秋ならではの彩り豊かな斜面を行く。ここを登れば山頂部に出ます

 長い登りを終え、最後に短い斜面を上ると山頂部に躍り出ます。

荒涼とした砂漠のような景色が広がる山頂部。視界不良時はルートを見失わないよう要注意
赤岳山頂は標高2,078mですが、緯度が高い北海道ならではのダイナミックな景色が広がっていました

 森林限界を超えた荒涼とした景色はくすんだ色合いと合わさって、まるで違う星に来たかのような眺めです。巨石がぎっしりと重なった場所に山頂標識がありました。

赤岳山頂から西側の眺め。長い年月風雪に晒された地形に地球の息づかいを感じるよう

 大雪の山々がパノラマで広がっており、広い山頂周辺は気持ちのいい開放感があります。地図を手に山座同定に勤しむ人やのんびりと昼食を食べている人、みなさん思い思いに素敵な山のひとときを過ごしていました。稜線にはときおり縦走路を行く登山者がシルエットで青空に浮かび上がっています。

 景色を存分に楽しんだ後、ゆっくりと慎重に来た道を引き返しました。朝の冷え込みが嘘のように暖かく過ごしやすい登山日和でした。まだもうしばらくは秋の登山を楽しめそうですが、この先、日一日と日没が早くなっていきます。早めの行動と十分な防寒対策を忘れずに、安全な登山を。