●栃尾辻から狼平を経て、弥山小屋へ

狼平避難小屋

 栃尾辻から先は多少のアップダウンはあるものの、広葉樹林の平らでゆるやかな登山道をのんびりと歩く。「高崎横手出合」で登山道は二手に分かれる。どちらからでも弥山小屋にたどり着けるが、行きは距離の短い「狼平(おおかみだいら)避難小屋」経由のルートを選択。

 高崎横手出合から約20分ほど下り、橋を渡ると狼平へ到着。避難小屋のまわりにはベンチがあり、すぐ横手に川が流れている。河原へ下りて汗ばんだ手や顔を洗うと、冷たい水で熱った体が冷やされ気持ちよい。小屋のまわりはテント場にもなっている。

狼平避難小屋のすぐ横手に流れている清流

 休憩の後、弥山小屋までの最後の登りを開始する。終わりの見えない長い階段が続き、毎回心が折れそうになる。それでも弥山小屋で買える缶ビールを楽しみに、一歩一歩足を前に進める。

 長い木製の階段を上り切った後、しばらく進むと右手に八経ヶ岳が見えてくる。ここまでくれば、あと少し。狼平から1時間ほどで弥山小屋に到着する。

狼平から先は、長い木製の階段がしばらく続く

■1泊1,000円!  弥山小屋のテント場、売店あり

弥山小屋の目の前にあるテント場

 13時半に「弥山小屋」に到着。受付で番号札と引き換えに1,000円(1人分)を支払う。札はテントの目立つ位置に貼っておく。水は量り売りで1L100円。屋外にトイレも完備され、下は草地でやわらかくペグも打ちやすい。弥山小屋から上り5分の場所にある弥山山頂(1,895m)からは日の入りが、小屋の東側からは日の出が見え、テント泊に最適の場所となっている。

弥山小屋前のベンチで山メシを作る
弥山小屋の売店メニュー

 弥山小屋から八経ヶ岳までは往復約50分、一旦下って登り返さなければならない。軽い装備で往復するのもよし、翌日八経ヶ岳を経由して、高崎横手出合まで戻るのもよい。今回は翌日、八経ヶ岳、明星ヶ岳(みょうじょうがたけ)経由で下山するため、テント設営後は自由時間。

 売店で買った缶ビールを飲みながら山メシを作り、日の入りまで友人とのんびり過ごす。天気がよく、日の入りと日の出の両方が見られ、最高のテント泊となった。

弥山小屋から歩いて5分のところにある弥山山頂から見える夕日
小屋の東側からは早朝、雲海の中から朝日が昇る

■駐車場と川合八経ヶ岳ルート

 今回紹介したルートは上り約6時間、下り約5時間のロングルート。しかもテント泊装備となると、さらに時間と体力を要する。早朝出発を心がけ、十分にトレーニングを積んでから挑戦しよう。

<駐車場>
天川村役場に駐車。登山口まで徒歩5分ほど。駐車場には水洗式の公衆トイレがあり、電気はセンサー式で人が近づくと自動で点灯する。

<川合登山口より八経ヶ岳ルート>
1日目:川合登山口→(3:00)→栃尾辻→(2:00)→狼平→(1:00)→弥山小屋
2日目:弥山小屋→(0:30)→八経ヶ岳→(0:20)→明星ヶ岳→(2:00)→栃尾辻→(2:00)川合登山口

●【MAP】八経ヶ岳 天川村役場駐車場

●施設 弥山小屋

住所 〒638-0303 奈良県吉野郡天川村北角158
電話 090-2223-1332(4月下旬〜11月中旬まで営業)

・URL https://www.vill.tenkawa.nara.jp/office/publicfacility/2699

※この記事の情報は2024年6月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。