■足和田山(山梨県富士河口湖町・鳴沢村)登山口の標高が1,000m超!  富士五湖の中央に位置する山梨百名山

標高:1,354m
標高差:373m
歩行距離:6.2km
ルート時間:170分

 足和田山(あしわだやま)は、山梨県富士河口湖町と鳴沢村(なるさわむら)にまたがる標高1,354mの山で、山梨百名山に選定されている。山頂が富士五湖の中心に位置することから、五湖台(ごこだい)とも呼ばれており、河口湖、西湖、本栖湖を見渡すことができる。

 登山口(紅葉台展望レストハウス)から三湖台(さんこだい)までは約20分、緩やかな尾根道が中心なので、初心者にも歩きやすい。三湖台から足和田山山頂(五湖台)までは約1時間。時折り視界が開け、富士山が望め、期待が膨らむ。そして山頂(五湖台)には圧巻の展望が待つ。

 歩行距離、行動時間ともにこれまで紹介した3座と比べて長いので、経験者との同行が望ましい。また、標高差に加えて気温差も大きいため、防寒着を忘れずに持っていこう。

 登山口となる紅葉台展望レストハウスの標高がすでに1,000m近くあり、中央自動車道・河口湖ICから登山口までは20分ほどだ。30台ほど駐車可能な駐車場とトイレが備わっている。ただし、レストハウス手前は未舗装の道路なので、安全な速度で運転してほしい。

足和田山山頂の見晴台とベンチ。大きな富士山を心ゆくまで満喫できる

●【MAP】紅葉台展望レストハウス

■竜ヶ岳 ※見晴台まで(富士河口湖町・身延町)樹海や子抱き富士が見られる圧巻大パノラマの山

見晴台付近の標高:1,233m
累積標高差:348m
歩行距離:4.4km
行動時間:170分

 竜ヶ岳(りゅうがたけ)は、山梨県南巨摩郡身延町(みなみこまぐん みのぶちょう)と富士河口湖町の境に位置する。年末年始にはダイヤモンド富士が見られる山としてハイカーから人気を集めている。なだらかで歩きやすく標識も豊富なため、初心者でも安心して登れる、富士山西麓を代表する山である。

 竜ヶ岳の標高は1,485mだが、山頂を目指すだけが登山の楽しみではない。高山植物やその山に住む動物との出会いも登山の魅力の一つ。そこでこの竜ヶ岳においては、山頂の絶景にも負けない素晴らしい景色が見られる、山の中腹にある「見晴台」を目的地とした。登山口から「見晴台」までは2.5km、約100分の道のりだ。

 「見晴台」からは、左に富士山、右に北岳を筆頭とする南アルプスが見られるほか、富士山の裾野に広がる青々と茂った富士の樹海や、手前の大室山(おおむろやま)を抱いたように見える「子抱き富士」を見ることができる。

 中央自動車道・河口湖ICから30分ほどの、本栖湖キャンプ場の無料駐車場から中腹の「見晴台」往復なら初心者でも安心して楽しめるはず。

竜ヶ岳「見晴台」から見た富士山。冬は「ダイヤモンド富士」が見られる大人気スポット

●【MAP】本栖湖キャンプ場

■まとめと注意

整備された登山道。見通しの良い道を気持ちよく歩くことができる

 ここで紹介した5座は危険箇所も少なく、行動時間も短いので登山入門としては最適だろう。これらはもちろん、筆者自身が実際に登って体験したことをベースに選定させていただいた。

 とはいえ山では、いっときの油断が大きなケガにつながることを忘れてはならない。防寒対策・お弁当(行動食や非常食)・水分・帽子や虫除けなど、必要なものの情報収集と準備にはしっかり時間をかけよう。万全を期してもなお、体調や天候に不安がある時は無理をしないでほしい。

 あなたの楽しみにしている登山が、良い天候と素晴らしい景色に恵まれることを願っている。