■都心から1時間40分!  東京都・御岳山(標高928m)

山頂に鎮座する武蔵御嶽神社・拝殿(撮影:山歩ヨウスケ)

 最後の紹介となるのが、東京都青梅市にある標高928mの御岳山(みたけさん)だ。武蔵御岳山とも呼ばれ、古くから山岳信仰の対象となっており、山頂には武蔵御嶽神社が鎮座している。YAMAPの「2023年に登られた山・関東エリア」では第5位にランクインしている。

 山頂へのアプローチは表参道を歩くか、ケーブルカーを乗るかになる。麓の滝本駅から山頂までは1時間10分ほど。舗装された道だが、勾配は急で体力のある人向け。体力に自信のない人はケーブルカーで御岳山駅まで行き、そこからハイキングを楽しむといい。

麓の滝本駅から御岳山へと続く表参道。舗装されているがかなりの勾配(撮影:山歩ヨウスケ)

 御岳山の山頂付近にはいくつもの宿坊が立ち並び、高尾山とも大山とも違った雰囲気を楽しむことができる。なかでも樹齢1000年の「神代の欅(じんだいのけやき)」は圧巻だ。

幹囲8.2m、高さ30mの神代の欅は日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際に植えたと伝えられている(撮影:山歩ヨウスケ)

 御岳山も多くのハイキングルートがあり、バリエーションが豊富で時間と体力に応じて山歩きを楽しめる。日の出山まで足を延ばせば、さえぎるものがない関東平野の絶景を望め、静かな山を楽しみたい人はロックガーデンの周回や奥之院へのルートがおすすめだ。

 ケーブルカーは上下線ともに18時台まで運行しているので、日が傾くのを待ち、夜景を楽しんでから下山することもできる。

●【MAP】滝本駅駐車場

アクセス
圏央道・日の出ICから吉野街道/都道45号経由で34分(18.3km)

■2023年に「登られた山」第2位、3位は……

登られた山「第2位」の塔ノ岳。山頂からは絶景が楽しめる(撮影:山歩ヨウスケ)

 今回は冬に登りたい有名な山として、高尾山(第1位)、大山(第4位)、御岳山(第5位)を紹介させてもらった。YAMAPのランキングでTOP5に入っていたのは、他に丹沢・塔ノ岳(第2位)と百名山に名を連ねる筑波山(第3位)だ。

 どちらの山も魅力的な山であるが、塔ノ岳はどこの登山口からアプローチしても歩行距離が長く、行動時間を要するため、日が短い冬に登るには適さない。筑波山は筆者がまだ訪れたことがない山なので、紹介は控えさせてもらった。筑波山に登頂した際にはぜひ紹介したいと思う。

■シーズンオフこそ、普段行かない有名な山を登ろう

高尾山の山頂エリア。人が少なくてゆっくりできる(撮影:山歩ヨウスケ)

 2024年も春が来て、シーズンが始まればまた多くのハイカーや観光客で賑わうだろう。オフシーズンの時にこそ、有名で人気の山を静かに歩いてみてはどうだろうか。3月に入っても寒の戻りがあり、寒暖の差が大きくなる時期が続く。体調管理を心がけながら春先のハイキングを楽しんで欲しい。