■天狗岩と綾広の滝・静かな森を歩く

 武蔵御嶽神社から20分で天狗岩に到着。日の当たる場所では雪のない箇所もあるが、樹林帯の中なので雪は溶けていなかった。

天狗岩。岩の頂点には天狗の像が鎮座する(撮影:山歩ヨウスケ)

 天狗岩の頂点には天狗の像が鎮座している。この天狗岩には鎖が設置されているので登ることができるが、積雪があり足場が悪いので登るのは控えた。

天狗岩から綾広の滝までは25分ほど。沢沿いの静かな山道を進む。 綾広の滝へ向かう途中の東屋。トイレもあるのでありがたい(撮影:山歩ヨウスケ)

 天狗岩からロックガーデン内は大雪の後も登山者が多く入っているようで雪は踏み固められてはいるが、心配な人は無理せず引き返すといい。

綾広の滝。この時期は水量は少なめだが雪に覆われていてきれいだった(撮影:山歩ヨウスケ)

 綾広の滝がロックガーデンの最深部、雪が最も多いのがこのエリアだった。綾広の滝からは日の当たる箇所も多くなり、雪のない道も多くなるが、武蔵御嶽神社まで戻るまでは日陰に入ると雪がついているので滑り止めを装着した。

■天狗の腰掛け杉と長尾平展望台

 綾広の滝から武蔵御嶽神社へともどる道中、面白い巨木がある。「天狗の腰掛け」と呼ばれる杉の大木は本当に腰掛けができそうな枝が伸びている。

奥の院へと続く分岐点に鎮座する「天狗の腰掛け杉」(撮影:山歩ヨウスケ)

 天狗の腰掛け杉から武蔵御嶽神社へと戻る際、もう1か所おすすめの場所がある。すぐのところにある週末営業の長尾茶屋から5分ほど歩いたところに長尾平展望台がある。関東平野の街並みや、隣の日の出山を望み、東屋もあるので休憩するのにぴったりの場所だ。大雪から1週間後だったので融雪は進んでいたが、日陰のベンチなどにはまだ雪が残り、普段の光景とは違っていた。

日の出山と関東平野を望む。ベンチが設置されておりゆっくりできる(撮影:山歩ヨウスケ)

■下山はケーブルカーで楽々

 登ってきたルートで下山してもいいが、ケーブルカーを利用するのもいい。ケーブルカーは18時台まで運行しており、山頂エリアの散策をゆっくりと楽しむことができる。

急勾配を下るケーブルカー。わずか6分で下山できるのはありがたい(撮影:山歩ヨウスケ)

 御岳山のケーブルカーは御岳山駅(831m)から麓の滝本駅(407m)まで標高差424mあり、所要時間はわずか6分。平均斜度は22度で関東一となっており、最大斜度は25度にもなる。

 都心を混乱させた大雪だったが、いつもとは違った御岳山の景色に出会えた。3月に入り、異例の暖かさになる日もあるが、本格的な春が来るまではまだ寒の戻りもある。天気予報には注意をしつつ、冬のハイキングにでかけてみてはどうだろうか。

 

〈登山ルート〉
御岳登山鉄道滝本駅⇒(1時間10分)⇒武蔵御嶽神社⇒(20分)⇒天狗岩⇒(25分)⇒綾広の滝⇒(25分)⇒天狗の腰掛け杉⇒(10分)⇒長尾平展望台⇒(30分)⇒御岳山駅

〈アクセス〉
圏央道・日の出ICから吉野街道/都道45号経由で34分(18.3km)

●【MAP】滝本駅駐車場 東京都青梅市御岳