■夫婦でぶつからずに作業を進めるコツ

カスタム作業前に2人の作りたい形を、設計図代わりのイラストに起こしてみました

 車内のレイアウトは妻と協議して決めました。はじめは荷室いっぱいの長さのサイドテーブルのようなものを作るつもりでしたが、室内の幅はできるだけ生かしたいという妻の希望で、前方にL字型のカウンターを置いて後ろはベンチにしました。足を入れるあいだのスペースを板で塞いで、その上にクッションをのせるとベッドになります。このレイアウトだと冬はヒーターを入れてこたつを作ることもできるので、結果的にはよかったと思っています。

 夫婦とはいえ、当然、性格も物事の進め方も違います。自分は細かい方ですが、妻はおおらかで細かいことは気にしないタイプ。一緒に作業するとぶつかりそうですが、木工作業的なことは自分が先導しました。逆にクッションやカーテンは妻に任せました。たとえばクッションは底付きするのが嫌だからで、最低10㎝の厚みが欲しいと言われたので、ベッドの骨組みはそれを考慮して高さを決めるという具合です。

「今が一番楽しいと思っています。人生、これからが本番!」と笑うwinpy-jijiiさん

 細かい寸法は自分たちの体の大きさに合わせて決めていきました。一番悩んだのはカウンターとベッドのあいだの導線になるスペースで、どのくらい確保したら使いやすくなるのか、実際に木を置いて試しながら寸法を考えました。

 同じようにDIYでキャンパーを作りたいと思っている人は多いようで、アウトドアのイベントに車で出た時は寸法に関して聞かれることが多かったです。メジャーを持ってきて、「測ってもいいですか?」と言う方もいました。興味がある方は『冬はこたつで鍋料理、改造サイズも教えます。』という動画をご覧ください。

 予算が知りたいという人もいるかもしれませんね。工具はだいたい揃っていたので、主にかかったのは材料費で、全部で30万円で収まりました。

この車で夫婦2人、全国を旅して回る予定です

 作業は、取りかかってから2か月半で仕上げました。天井や壁、カウンターの天板や引き出しの取っ手には木を使って、クッションのカバーはグレーにして引き出しもグレーに。統一感のある落ち着いた空間ができたと思っています。

 

*本記事は『いくつになっても遊び続ける』(KADOKAWA刊)に加筆・修正を加え、再編集したものです。