“インバウンド”という言葉がすっかり市民権を得ていますね。日本は魅力的なディスティネーションとして、多くの国から人気を集めているようです。東京や大阪、京都、有名な観光地のみならず、スキー場もまた世界から注目されています。数年前までは外国人の姿を見かけることがなかったようなローカルなスキー場でも(コロナ禍でいったん減りましたが)海外からのゲストたちで盛り上がっているところもあるようです。時期によっては日本人より外国人の方が多いようなスキー場もあり、まるで海外旅行に来たかのような錯覚を覚えてしまいます。

■新しい造語! 人気ハッシュタグ

降り続く雪に喜びいっぱいのイングランドから家族旅行でやってきた兄弟

 賑わうゲレンデ、リフトやゴンドラで、外国人と同乗することも増えました。無言で過ごすのは気まずい時もあります。“関西ノリ”とまでいかなくても、やはり軽い挨拶程度はした方がお互いに気持ちいいですよね。そこで、教科書で習わないような言葉(もちろん国によって様々です)の中で、スキー場で使える単語を紹介します。

 『JAPOW(ジャパウ)』を始め、この10年程で筆者が(国内外で)会話の中でよく耳にした言葉、さらにInstagram(インスタグラム)で人気のハッシュタグの中から抜粋して選びましたが、英語圏の人たちに聞いてもどうも以前より反応が薄くなった気がします。海外からのゲストは、滑り重視のコアなスキーヤー、スノーボーダーたちから、家族や友達同士の旅行が増えてきているようです。ゲレンデやレストランで眺めていても「日本へ滑りに行く」ことが随分と一般化しているのがうかがえます。さらに東南アジアなど雪のない国、スキー場がないような国からのゲストでもスキーやスノーボードがかなり上手な人が増えているのも非常に興味深いです。

●Japow

 #japow:48.6万件。ジャパウ

リフトで乗り合わせたオーストラリア人の女性がスキーに貼っていた「Japow」ステッカー

 温暖化を始めとする気候変動の影響……。世界的にも「例年通り」が通じないような状況です。それでも冬になれば必ず楽しませてくれる、期待を裏切らないのが日本の“雪”です。来日した人たちが体験をどんどん広めていき、噂が噂を呼んで“ジャパニーズパウダー”の存在が、世界のパウダー(スノー)フリークに浸透しました。いつしか『JAPOW』という呼び名が広まり、羨望の的になっています。

●Japanuary

 #japanuary:2.8万件。ジャパニュアリー

寒気が休む間もなくやってくる日本の1月。新しい雪が雪面をリセットしてくれる

 降雪に恵まれた日本のスノーシーズンですが、なかでも1月は間を空けずに雪が降り、パウダースノーを楽しめることから「Japanuary」と呼ばれることも。JapanとJanuaryを組み合わせた造語ですが、ピコ太郎もびっくりのセンスですね! こちらもインスタタグで使用されていますが、やや流行が去った感があります。スキー場で話していても、以前より聞かなくなりました。