■ウマいとの評判は本当か? ウグイ vs オイカワを食べ比べ
無事に新鮮な魚を確保することができたので、家に持ち帰ってさっそく調理を試みた。釣り場で出会った地元のお父さんたちに、ウグイとオイカワはどんな食べ方がおいしいのかを尋ねてみたところ、全員が「甘露煮」「から揚げ」「南蛮漬け」の3つを挙げてくれた。
甘露煮は調理に時間がかかるという理由から、今回はお手軽な「から揚げ」でいただくことにした。下準備と調理方法は以下の通りである。
【下準備】
・包丁でウロコをとったあとに、塩で体表のヌメリをとる
・包丁で内臓とアタマをとったあと、流水で血合いをしっかり洗い流す
・キッチンペーパーで水分をとったあと、全体に軽く塩を振り冷蔵庫で1時間ほど寝かす
・再度、キッチンペーパーで水分をとる
・ビニール袋に魚とから揚げ粉を入れたらよく振り、魚全体に粉をなじませる(その後1時間放置)
【から揚げ調理】
・油を170℃に熱する
・下準備を済ませた魚を油にいれて3~4分揚げる
・油を切ったらできあがり
そしていざ実食。……、……、……、どちらも普通にウマいじゃないか!!
ウロコとヌメリ、内臓と血合いをしっかり取りのぞいたお陰なのか、川魚特有の生臭さや泥臭さなどはまったく感じない。ウグイもオイカワも小骨が多くて硬いという話は聞いていたので、少し覚悟はしていたのだが、こちらもまったく気にならなかった(魚のサイズが小さいことと、二度揚げしたのが良かったのかも知れない)。
味が想像以上に泥臭かった場合に備えて、下準備の段階で練りニンニクとショウガで味付けしたものも保険で用意していたのだが、こちらはニンニクの味が強すぎて魚の風味がまったく感じられなかった。鬼怒川で釣れた魚に関しては余計な小細工は不要なようだ。
そして気になる、ウグイとオイカワの食べ比べについてだが、筆者はウグイの方に一票を投じたい。その理由はウグイの方が魚の風味がしっかりと感じられたからである。時々ワカサギに似た風味も感じられてとてもおいしかった。
これに対して、オイカワの方はただひたすらに淡泊な味わいで味の面白さに欠けていたというのが敗因。ウグイと同様に食感はしっかりあったので、南蛮漬けなどの濃い味付けとの相性がいいのではないだろうか。今度試してみようと思う。
【注意!】ウグイやオイカワなど天然の淡水魚は寄生虫の宿主になっていることがよくある。そのような魚を食べた人が寄生されると重篤な症状に見舞われることがあるので、刺身などの生食でこれらの魚を食べるのは絶対に禁物である。
■釣り物が少ない冬にぴったりの寒バヤ釣りを楽しもう
栃木の冬の風物詩である鬼怒川の寒バヤ&寒バエ釣りを紹介させていただいたが、興味をもっていただけただろうか? 何十年ぶりかの寒バヤ釣りということもあり、ポイント探しにかなり手間取ってしまったが、これも釣りの醍醐味。まるで宝探しでもしているかのようでこれはこれで楽しめた。
寒バヤ釣りは日本各地で古くから親しまれてきた釣り。きっとみなさんがお住いの地域にもこの釣りを楽しんでいる人がいるはずである。もしこの釣りに少しでも興味をもっていただけたのなら、休日などに少し車を走らせて近くの川の様子を覗いてみてはどうだろうか。釣り物が少ない冬でも数釣りが楽しめる寒バヤ釣りはとてもおすすめである。