秋の紅葉が終わると、花を求めての野山歩きはひと段落だが、新しい年を迎えると今年はどんな花に出会えるかワクワクしてくる。

 新年最初の野山歩き、筆者の定番は「蝋梅(ろうばい)」や「寒紅梅」。1月の上旬、花が少ない時期に見頃を迎える貴重な花たちだ。

 関東でロウバイと言えば、秩父の宝登山が有名だが、群馬県の上信越道・松井田妙義ICより車で15分、安中市にある「ろうばいの郷」もおすすめ。また、同じく安中市にある「群馬フラワーハイランド」では、ロウバイだけでなく、寒紅梅も楽しめる。今回は、1月に貴重な花たちが楽しめる2つの花園を紹介する。

■梅の仲間ではない、蝋梅(ロウバイ)とは?

艶やかな満月ロウバイ

 蝋梅と書いて、「ろうばい」と読む。梅という漢字がつくが、梅の仲間ではなく、分類的には全く違う植物だ。名前の由来は、透明感のある蝋細工(ろうざいく)のような梅に似た花を咲かせるからという説と、陰暦の12月(臘月)に咲く梅に似た花であるからという説がある。

(参考:http://www.roubai.com/ 「ろうばいの郷」の公式HPより) 

 1月~3月頃に花を咲かせ、庭木としても珍しくはないが、一面にロウバイが植えられた様は、一見の価値がある。

■1200株、12000本が出迎えてくれる「ろうばいの郷」

青空にロウバイの黄色が映える
「ろうばいの郷」入り口のゲート付近で、切り花も販売されている

 「ろうばいの郷」は、地元農家の人たちが管理している花園。休耕田を利用した3.2ヘクタールに1200株、12000本のロウバイが植えられ、一面に広がる華やかな黄色と甘い香りで訪問者を楽しませてくれる。入場料は大人は400円、小学生以下は無料だ。今シーズンは令和6年1月5日オープンとのこと。ちなみに昨シーズンの閉園は2月16日となっている。

 宝登山のロウバイの見ごろは、例年1月下旬からのため、新年早々お花見をしたい方は「ろうばいの郷」がおすすめ。

 松井田妙義ICから近いだけあって、「ろうばいの郷」付近からは妙義山も大きく見える。道路沿いにもロウバイの木が植えられ、期待感が高まる。

 「ろうばいの郷」では園内を埋め尽くす1200株、12000本のロウバイの木が出迎えてくれる。園内には、満月ロウバイ、素芯ロウバイ、原種ロウバイの3種類が植えられているが、最も華やかな満月ロウバイが多い。

■宝登山より混んでいない「ろうばいの郷」

宝登山の蠟梅園は観光客だけでなくハイカーも訪れる
「ろうばいの郷」で見つけたロウバイのトンネル

 筆者は以前、ロウバイシーズンの週末に宝登山を訪れたことがあるが、観光客もハイカーも多く、ロープウェイ乗車も行列ができ、蝋梅園も人でいっぱい。ゆっくり花を楽しむことができなかった。

 「ろうばいの郷」も観光客が訪れるが、混雑して見られないということはない。人混みを避けたい方にはこちらがおすすめだ。広さやロウバイの木の数では宝登山に引けを取らない。たくさんのロウバイの甘い香りと、一面の黄色に彩られた景観を堪能できる。

  なお、カーナビを使用する際は「安中市立細野小学校」と入力しよう。付近まで行くと案内板が出ている。

●ろうばいの郷

・住所 群馬県安中市松井田町上増田3677

・URL http://www.roubai.com/

※営業日時はホームページよりご確認ください