■「クルマ旅」が魅力的な4つの理由。

 筆者の経験から考えた「クルマ旅」の魅力をまとめてみる。

1. クルマ(+フェリー)の機動力と自由さ

 やはりクルマの強みは全国津々浦々、自分が行きたいところへ行けること。目的地だけでなく、その過程(ちょっとした寄り道や発見など)も楽しめる。遠方へ行くならば、フェリー利用が楽で早い。

2. 旅を自由にカスタマイズできる

 旅先で得た情報や興味に応じ、柔軟に予定を変えられる。悪天候などにも強いし、車中泊可能という安心感がある。

新潟県上越市を移動中に立ち寄った国道沿いの定食屋(撮影:望月慎一郎)

3. 荷物を沢山運べる

 登山、キャンプ、テレワークなど複数の目的があっても必要な物を運べる。また、お土産など現地で荷物が増えても問題なし。

4. 長期の旅でもお財布に優しい

 キャンプ場利用、認められている場所での車中泊、自炊によりコストカットできる。ただし、その場所のルールを守り、騒音など周囲の迷惑になるような行動は慎もう。

北海道某所でクラッククライミング(撮影:望月慎一郎)

■「クルマ旅」をより楽しむコツ

 また、筆者の経験からクルマ旅を快適に楽しむコツをいくつか紹介したい。

1. 車中泊のノウハウ

・寝床の作り方(車種はスバルフォレスター)

① 助手席をギリギリまで前にスライドさせてリクライニングを最大に倒す
② 助手席側の後部座席の背もたれを前に倒して助手席の背もたれと連結させる
③ 頭はクルマの前方へ向けて寝る
④ 連結部分に多少段差が残り、頭が低くなるので、マット・枕などで調整する

 今回は後部座席にもかなり荷物を積んでいたが、この方法ならば後部座席の助手席側スペースを空けるだけで、トランクの荷物を全く動かさずに一人分の寝床を作れる。

・アイドリングでの暖房は騒音が周囲の迷惑だし、エコではないのでしないこと。雪国では排気ガスの逆流による一酸化炭素中毒の恐れもある。

・9月末の北海道は昼夜の寒暖差が大きく、標高の高い層雲峡周辺では夜に10℃を下回る日もあったが、寒い夜でも寝袋、マット、窓の防寒で快適に過ごせた。また、宿泊する場所も大事だ。標高が高いところや、風が吹き抜ける峠などは避けたい。

・車内外の温度差でフロントガラスの内側が結露することがある。放置すると後で水アカが残りやすい。水アカ専用のペーパータオルがあると良い。

2. 体調のケアは一番大事

・連日の車中泊・テント泊で体調を崩すこともある。そんな時は無理せず宿に泊まってリフレッシュしよう。ネットカフェの個室なども仮眠には便利だ。

・計画的にOFFの日を作り、疲れを溜めないようにしよう。半日ほど日帰り温泉でのんびり過ごすのもいい。買い出しや洗濯などの雑用もまとめて片付けてしまおう。

・田舎道で渋滞や信号が少なくても、長距離運転は自分が思った以上に疲れる。予定にゆとりを持ち、早めに休憩しよう。

時には温泉でのんびりしよう(撮影:望月慎一郎)

3. 道の駅などで情報収集

・道の駅があったら寄り道してみよう。地産地消の新鮮な野菜を売っていたり、地域のイベント、博物館、美術館などの情報が手に入るので、きっと何か発見があるだろう。Wi -Fiが利用可能なところもある。

 もし、この記事でクルマ旅に興味を持って頂けたら、短期間でもいいのでぜひ一度トライしてほしい。マイカーが無くても、旅先でレンタカーを借りて数日間自由に旅をしてみたら、自分なりの楽しさが見つかるのではないだろうか。本記事にて、少しでもその魅力が伝えられたならば幸いである。