登山やキャンプを趣味にしていると、ついつい自宅にギアが増えてしまいがちだ。デザインや使い心地など自分好みのものを使いたいけれど、収納スペースに困ってしまうこともあるだろう。
一方、お気に入りのギアを車に積んで持ち運びするにも、車内の空間にも限りはある。筆者の愛車スズキの「ジムニー」は小型で小回りが利く半面、積載量には余裕があるとは言いがたい。そのため、筆者は夫と2人分の必要なギアを厳選して、できるだけ快適に過ごせるように努めている。
今回はキャンプ歴10年の筆者が、実際に使っているキャンプギアの一部を紹介しよう。できるだけコンパクトなもの、または日常生活と併用できるものに絞って取り上げたい。快適に過ごせるように厳選しているので、参考になれば嬉しい。
■スペース減らせる登山ギア
登山用のギアは小型・軽量に特化しているので、大人数やファミリーでのキャンプにはややスペックが不足する場合もあるだろう。
しかし、ジムニー愛用者にはこうした小型ギアはありがたく、登山と併用しているものも多い。バイクキャンパーの方も同じことが言えそうだ。
●軽くてコンパクトな「登山用テント」
登山と併用しているアイテムの一つがテントだ。筆者はキャンプで車中泊をすることも多いが、オートキャンプ場などでテントに泊まる場合は登山用テントを使っている。
大きなテントを設営すると「キャンプをしている感じ」がグッと上がって気分も高まるが、その分、積載スペースが狭くなってしまう。しかし、登山用ならばコンパクトになり、ジムニー愛用者にも使い勝手が良い。
利点はそれだけではない。大きいテントでは設営して撤収するまでに時間がかかるが、登山用テントは設営や撤収が手軽にできる。筆者の場合、設営時間を半分程度に短縮できた。
ちなみに、一般的に2人用の登山テントの場合、「大人2人がギリギリ入る」サイズのものが多いが、筆者は重量が2kg近くあるものの、床のサイズが縦200cm以上、横幅が140cmの大きめのテントを使っているので、足を伸ばして大人2人でのびのびと寝られるのが嬉しいポイントだ。
●秋冬にも重宝!「マミー型寝袋」
寝袋も登山用ならかなりコンパクトに収納できる。筆者は「mon-bellのアルパイン ダウンハガー800 #2 」でコンフォート温度0度*のものを使っている。ダウン素材の「マミー型」だ。
マミー型はミイラのように全身を覆うような構造になっており、封筒型よりも暖かい。寒い場所でも快適に寝ることのできるスペックのため、秋冬のキャンプにも重宝するのがお気に入りポイントだ。車の空いたスペースに詰め込めるのが助かっている。
寝袋の下に敷くマットも登山用マットを使っている。寝袋の収納袋に着替えなどを詰めたり、お気に入りの布を畳んだりして簡易的な枕を作っている。
*コンフォート温度:ミドルウェアまで着た状態で寝られる温度の目安
■日用品をキャンプと兼用。自宅でも省スペース
普段使っている日用品をキャンプに活用している人も多いのではないだろうか。そうすることで自宅での省スペースを可能にし、「置き場問題」も起こらない。さらにキャンプ場でも家でもお気に入りのものを快適に使うことができる。筆者もいくつかの日用品をキャンプでも愛用している。
●調味料や小物を収納!「籐のバスケット」
籐(とう)のバスケットは、日用品をキャンプで使っている。家でもキャンプサイトでも、細々とした調味料やコーヒーなどの粉末飲料、調理器具などごちゃごちゃしてしまう小物を入れてキッチンに置いている。
家で使うものをそのままキャンプにも持って行くので、省スペースはもちろん、荷物を準備する手間も少し減るのがありがたい。
●使い心地抜群の「カトラリーと食器」
調理器具やカトラリー、食器やタンブラーなども日用品と共用している。食事の時は自分の好きなデザインで、使い勝手のいいものを使いたいからだ。
筆者は自宅でも愛用している木製のカッティングボードやフォークをキャンプにも持っていくようにしている。日用品を併用することで、自宅でキャンプ用品向けの収納場所を作らなくていいので、このスタイルに落ち着いた。
■空いたスペースに「キャンプ専用」ギア
日常生活では使う場面がなく、キャンプでしか活躍の機会がないギアもある。タープやポール、テーブルやランタンなどだ。コンパクトな登山ギアでスペースが空いた分をここで活用したい。
風のない日はテーブルクロスをかけて雰囲気を自分好みに演出している。ランタンの明かりを灯すと、キャンプならではの特別な空間が味わえる。
キャンプ専用ギアをつい増やしたくなる気持ちもあるが、自宅の収納や愛車のジムニーに積載できる量が限られているので、大きさやデザイン、使い勝手のいいものを厳選するようにしている。
■お気に入りの厳選ギアで快適なキャンプ時間を楽しもう
自宅と車のスペースを考えながらギアを探すのは大変だが、そうした制約の中で自分の気に入ったものを厳選するプロセスも、アウトドアの楽しみの一つだろう。
限られた予算や収納スペース、積載量と相談しながら選んだお気に入りのギアで、快適なキャンプ時間を過ごしてほしい。