■ブルーの波間に浮かぶカモを発見
山下公園では、マリンタワーや氷川丸がきれいにライトアップされています。特に氷川丸の船体から放たれる光は海面をブルーに染めていました。日中に100羽ほどいた冬鳥であるスズガモたちの姿を探しますが、見当たりません。沖の方に出かけているのでしょうか。
それでも、だんだんと目が慣れてくると、青い海面にぼんやりと2羽のカモが浮かんでいるのが見えてきました。案の定スズガモでした。スズガモは盛んに水中に潜って、好物の貝類などを探しているようです。
ライトアップされたマリンタワーや山下公園の美しさに見とれていた筆者でしたが、一方で自然派としては消費される電力も気になるところです。横浜市によれば、このイベントに使われる電力は、すべて再生可能エネルギーで賄っているということなので、ちょっと安心しました。
■イチョウ並木で眠る鳥の群れ
山下公園の賑わいのバックから、騒がしい鳥の声が聞こえてきました。どうやらイチョウ並木の方で鳴いているようです。近づいてみると、それは、たくさんのムクドリでした。間もなく眠りにつくところのようですが、すぐに寝付けない鳥が大きな声を出して騒いでいるようです。
駅前の街路樹などに大群で押し寄せて社会問題にもなってしまうムクドリですが、山下公園では、比較的小さな規模の群れでとどまっているようです。そのため、多くの人がその存在に気が付くこともなく、通り過ぎていきます。
山下公園付近では、まだまだ黄葉したイチョウが見頃で、人々の目を楽しませてくれます。立ち止まって写真を撮る人の姿も多数見られました。
桜木町から山下公園まで横浜のベイエリアをゆっくり歩いてみましたが、たくさんの音と光に包まれ、多くの人が行き交う中でも野鳥たちはそれを気にすることなく、また利用することもなく我関せずといった感じで淡々と生活していることがわかりました。日頃から都会の中で生活することにより、その環境に柔軟に適応しているとも言えます。
今年の「ヨルノヨ」のテーマは、「巡り、出会い、混ざる」。イルミネーションに飾られたYOKOHAMAの街を歩きながら、都会の夜を生きる野鳥たちとの出会いも楽しんでみてはいかがでしょうか。