■五感をフルに活用して遊ぶのが「ブッシュクラフト」
川口さんの講習を通して、幼少期の記憶が呼び覚まされ、さらに腑に落ちた感じがしたのだそうだ。新しく気付いたことや、新鮮な感覚もたくさんあったし、忘れていた感覚や記憶も思い出されてきたという。きっとそれは忘れかけていた、本来の自分が求めていたことだったのだろう。
「子どもの頃にしていた山遊びを、大人になってまたやってみて、追体験してるみたいな感じかな。東京に来て仕事をして、それなりに経験も積んでいろんな知識も付いたうえで、子どもの頃いた場所に戻ってみた、みたいなことなのかも」
未央さんにとってのブッシュクラフトってどんなものですか? と聞いてみると、「自然に没頭できる山遊びだと思う。我を忘れてやってるし(笑)」との答えが返ってきた。
今では、時には独りでも出掛け、気をつかうことのない人達と緩く集まり、焚き火を囲んでお酒を飲み、音楽談義をするのがなにより楽しいそうだ。
今は将来に向けて、この素晴らしい遊びを子どもたちに向けて教える仕事にも興味が湧いている。
「こうしてブッシュクラフトをやるようになって、この良さを人に伝えられたら良いな、と思うようになったんです。すごく面白いし、楽しいことなんだよっていうことを伝えたい」
そして今年から、「KIDS BUSHCRAFT ADVENTURE」という子ども達に向けたスクールで、インストラクターとしてブッシュクラフトの楽しさを伝える活動をしているそうだ。
今後、子ども達に向けた講習のプログラムも予定しているという。
北の大地育ちのおおらかさの中に、強い芯が通っている。そんな女性だと感じた。
※撮影に協力いただいた「ライジングフィールド軽井沢」には、ブッシュクラフト専用のサイトがあります。講習を受けることで、直火や薪の採取も可能です。