9月に入ると暑さも少し和らぎ、秋の気配が漂い始める。今回はそんな初秋におすすめの兵庫県丹波篠山の八上(やかみ)城跡(標高462m)を紹介。ここは、登山口の案内板にも記されているが、作家井上靖氏が「小説『戦国無頼』に「なんと美しい山、なんと美しい城だろう……」と称している城跡がある。

■丹波篠山の八上城跡

八上城跡遠望(撮影:野口宣存)
八上城跡本丸と二の丸の間(撮影:野口宣存)

 兵庫県丹波篠山の八上城跡は、戦国時代の山城跡だ。明智光秀の丹波攻めで落城した八上城は、丹波波多野氏の居城で、国史跡に指定されている。整備が行き届いていることもあり、とにかく眺望のよさが一番のおすすめポイントだ。

 また、丹波波多野氏は八上城落城の際、戦国大名としては滅びたが、子孫は現代でも活躍している。直近では第25代学習院長、元国連大使、波多野敬雄(はたのよしお)氏が有名だ。

八上城跡二の丸からの眺望(撮影:野口宣存)
八上城跡本丸(撮影:野口宣存)

 なお、八上城跡へはアクセスも悪くない。代表的な登山口である八上内(やかみうち)の春日神社前には、無料の駐車場が完備。車がなくてもJR篠山口からレンタサイクルを利用すれば、30分前後で登山口に到着する。

 登山口から八上城跡までは、ゆっくり歩いても1時間弱。下りは30分程度で下山できるため、登山の後は、篠山城址や昔ながらの街並みを残した河原町妻入商家群(かわらまちつまいりしょうかぐん)など、篠山観光を楽しむこともできる。