■近所を流れる思川で数釣りを楽しんだ

栃木県の南部を流れる思川(おもいがわ)。写真のように水深が浅く(30cmほど)流れの速い瀬でたくさんのオイカワを釣ることができた(撮影:水卜 ヤマト)

 昨年(2022年)の8月末に家の近くを流れる思川(おもいがわ)でオイカワのエサ釣りを楽しんだ。

 もうすでにお盆の時期は過ぎていたのに、この日も日中に釣りするのはためらわれるほどのひどい暑さ。このため私が釣りを開始したのは気温が少し下がる夕方からだった。

この日の水温は29℃もあり、気温とほぼ変わらなかった(撮影:水卜 ヤマト)

 夏のこの時期のオイカワたちは、水中の酸素が豊富でエサも豊富な瀬(水深が浅く流れが速い場所のこと)と呼ばれるポイントに群れをなしていることが多い。この日もヒザ下ほどの浅い水深で、水面が波立っている瀬のポイントをエサ釣りで重点的に狙うことにした。

 するとすぐにシモリウキがピクピクと反応して、オイカワを釣りあげることができた。久しぶりの小物釣り。ライン越しに伝わる暴れる魚のブルブル感がとても心地よい。

この日はオイカワのほかカワムツも釣れた(撮影:水卜 ヤマト)

 釣りを楽しんだのは正味2時間ほどだったが、カワムツを含む合計30匹以上のオイカワを釣りあげることができた。夏の暑い日に短時間でこれほど釣れる魚がほかにいるだろうか。

 日本に生息する淡水魚は、コイやフナ、ドジョウのようにとても地味な色合いのものが多いという印象を多くの方がお持ちだろう。しかし、実際には今回ご紹介した産卵期のオイカワのように宝石級の美しさをもつ魚がおり、私たちの生活圏のすぐ近くにたくさん暮らしているのである。

 そんな綺麗なオイカワを、水辺ではじめて目の当たりにした子どもや初心者の反応をどうか想像してみてほしい。目を見開いてさぞかし驚くことだろう!

 みなさんも晩夏のオイカワを求めて近所の里川に出かけてみてはいかがだろうか。子どもにとっても、大人にとっても、いい夏の思い出になるはずである。