■【岩手山の登山レポ】1泊2日の小屋泊旅

柳沢コース・馬返し登山口(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 訪れたのは7月下旬。柳沢コースを登り、8合目避難小屋に1泊する山行。岩手山は日帰り登山も可能だが、柳沢コースは標高差が約1,400m、歩行時間約8時間の長い行程になるため、ゆとりのある1泊2日の山行を計画した。

 柳沢コースの登山口は馬返し登山口だ。駐車場に車を停め、キャンプ場を抜けて登山道を歩き始める。樹林帯を進むこと約30分「0.5合目」と書かれた標識が目につく。思ったほど進んでおらず、先はまだまだ長いことを痛感する。

4合目の旧道。岩場の道になる(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 2.5合目へ着くと、新道と旧道の分岐になる。新道は樹林帯が続く道、旧道は岩が多くなる道で見晴らしがよい。旧道と新道は7合目で合流する。登りは旧道を通ったが、曇って展望が見えなかった。

 8合目の避難小屋を通過し、9合目の不動平へと着く。不動平では、トウゲブキやハクサンボウフウなどの花々が咲き、白や黄色の花が入り乱れるお花畑になっていた。

岩手山山頂直下。登る道は左右に分れている(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 山頂直下は小さな石がゴロゴロ転がっている砂礫(されき)帯だ。山頂を時計周りに左側の道を進んだが、3歩足を進めても2歩下がるような感じで、砂礫に足を取られる。後で気づいたことだが、反対の右側のほうが砂礫が少なくて歩きやすいようだった。

高山植物の女王と呼ばれるコマクサ(画像提供:休暇村岩手網張温泉)
イワブクロ(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)
イワギキョウ(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 必死に足を進めながら周りを見渡してみると、高山植物の女王と呼ばれるコマクサがあちこちに咲いている。荒涼とした地に力強く咲く姿に勇気をもらう。また、イワブクロやイワギキョウなどのお花も咲いていた。

岩手山の爆裂火口(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 山頂直下を登りきると、大きく穴の空いた爆裂火口が見られた。火山の荒々しさを物語っており、なんとも迫力がある。

岩手山山頂(撮影:BRAVO MOUNTAIN編集部)

 外側に目を向けると、雲の切れ間から周辺の山々が望めた。晴れていれば、早池峰山(はやちねさん)や鳥海山(ちょうかいさん)、秋田駒ヶ岳(あきたこまがたけ)といった山々が一望でき、素晴らしい展望が広がる。この大展望を眺めながら火口周りを歩く「お鉢めぐり」が岩手山の醍醐味なのだ。お鉢めぐりを楽しんだら、8合目まで下り避難小屋に泊まる。