いよいよ夏本番。汗だくになる夏のアウトドアで、女性にとって悩ましいのが「どんなインナーを選択するか」という問題だ。

 快適さや涼しさはもちろんだが、標高の高い場所では「汗冷え」が原因で体調を崩してしまうケースも少なくない。

 今回はインナー選びで失敗経験のある筆者が、選び方のポイントを紹介するとともに、今話題のミレーの「ドライナミック メッシュ」、いわゆる「あみあみ」の登山用インナーを着用してみたので、レポートする。

■汗冷えで悪寒!  悩ましい夏の女性用インナー選び

夏の登山には汗冷え対策が欠かせない(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 夏のアウトドア、女性のみなさんはどんなインナーを着用しているだろうか。登山の場合は「動きやすい」「ノンワイヤー」といった点が必須ポイントになると思うが、見落としがちなのが「汗冷え対策」だ。

 筆者は過去に、ユニクロの代表的商品「エアリズム」を着て夏の北アルプスに登り、盛大に汗冷えをした苦い経験がある(冬には“ヒートテック”でも同じ失敗をしている)。男性は「汗をかいたらその場で着替えればいい」と考える人も多いと思うが、女性はそうもいかず、屋外であればなおさらだ。

 エアリズムは着心地がよく、吸汗速乾にも優れているが、夏山でかく大量の汗のうち、一定量以上は吸収されずびしょ濡れになってしまった。

 背中には汗が滴り、その状態で山頂で休んでいると身体が冷えてしまい、頭痛や悪寒までに発展してしまった。やはり「夏のインナー選び」は重要なのだ。

 そこで今回、ネット配信で人気のドキュメント番組『PEAK HUNT 東野登山隊』のメンバーも愛用し「あみあみ」の通称で人気が広がっているミレーの「ドライナミックメッシュ」と、汗冷えから体を守ってくれるモンベルの人気シリーズ「ジオライン L.W. 」を着用し、実際に登山をしてみた。

 ぜひ楽しいアウトドアライフを過ごすために欠かせない、インナー選びの参考にしてほしい。

■メッシュが汗を運ぶ!  ミレー「ドライナミック メッシュ」

ミレーの「あみあみ」こと「ドライナミック メッシュ」(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 夏の登山用インナーの中で注目を集めているのが、ミレーの「ドライナミック メッシュ」シリーズだ。筆者の周りのハイカーの間でも、男女を問わず話題に上る人気ぶりだ。

 見た目からもわかる通り、網目状の生地が最大の特徴。メッシュの構造が肌に密着することで、運動中にかいた汗を吸水性のあるベースレイヤー(Tシャツや下着など)に運んでくれるのだ。

 網目構造により通気性が向上し、汗の発散を助けるとは驚くべき着眼点と発想だ。見た目に少し戸惑っていたが、理にかなったものだと納得した。

 ブラジャーと一体型の下着やインナーは、カップサイズが合わないと浮いてしまい、激しい運動には向かない印象もあった。しかし、ドライナミック メッシュはフィット感があり、網目の部分は窮屈さを感じさせない。

 実際にこれを着て、6月に八ヶ岳の「赤岳」に登ったが、これまでどんな下着でも夏場は背中が汗ばむのを感じてきたが、今回は全く汗のべたつきや張り付きを感じず、ドライな状態を保ったまま下山できた。

 カラーは黒を購入したため、白いTシャツでは透けてしまうのではと心配したが、誰からも指摘されず、自分でも気にならない程度だった。

 なお、上に着るTシャツは、ポリエステルやメリノウールなど吸水速乾性のある薄手の素材を選ぶことをおすすめしたい。

 ただし、サイズ展開が多いモデルでも4種類しかないため、身体に合った商品選びが重要になる。メーカー側も「体にフィットさせることで、はじめて、ムラなく汗を吸い上げる効果が生まれる」としているので、注意しよう。今後も猛暑のアウトドアで大活躍してくれそうなアイテムであることは間違いなさそうだ。

ミレーの「ドライナミック メッシュ」を着用した様子。フィット感があるが窮屈さは感じない着心地だ(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
網目状の構造が汗の発散を助けてくれて、背中はべたつかなかった(撮影:ブラボーマウンテン編集部)