数年前、3時間程度の日帰り登山を計画し、実行に移したところ、道に迷い、下山までに6時間を要してしまったことがある。

 山行内容は下記のとおり。

・ソロ山行
・南九州エリア(鹿児島県)
・標高439~516mの4つの山の縦走
・想定のルートタイム 3時間
・実際のルートタイム 6時間

 地元では、観光客もよく訪れるような有名な低山で、迷うような山ではない。だが私は、その低山をゴールとする4つの山を縦走しようとしていた。あとで知ったのだが、1つ目の山は登る人がほとんどいないようで、道が見た目にはほとんどわからず、スマホの登山アプリなしでは先に進めない状態となり、そのために何度も道を見失った。

 それまで、日帰り2~3時間の登山に慣れ、登山の基本を守らなくても問題なく下山出来ていた私。その油断が、予想外のオーバータイムにより牙を剥くこととなった。

 自戒の念を込めて、登山の基本ルールを守らず、オーバータイムしてしまうとどんな目に遭うのか、具体的にご紹介したい。

■スマホのバッテリーが切れそうになる

今の時代、登山中のスマホ電池切れのリスクは計り知れない(撮影:山下直人)

 スマホの登山ナビアプリを頼りに登山道をたどる人は多いだろう。私もそのなかの一人だ。道がほとんどわからないような登山でも、スマホの登山ナビアプリがあれば、GPSを利用して、「登山道であろう道」をたどることができる。

 だが、もしスマホのバッテリーが切れてしまったらどうだろう?  登山が想定していた時間を超えてしまうと、この危機に陥る。

 私の場合、1つ目の山で道がわからなくなってしまい、相当な時間が経過してしまった。スマホの電池残量が60%程度。引き返しても、先に進んでも、おそらくスマホのバッテリーは途中で切れてしまう。

 幸い、前回の登山時からバックパックに入れっぱなしにしていたモバイルバッテリーがあったので、スマホを充電しながら歩くことにした。そのモバイルバッテリーもフル充電ではなかったが、それでも少しずつスマホのバッテリーが回復する。

 「もしこのままバッテリー切れになったら…」

 登山中、その不安がずっと頭から離れなかった。

■紙地図を持参すればよかった

スマホの登山ナビアプリだけを頼りにしない(撮影:山下直人)

 スマホのバッテリーを気にかけながら、登山ナビアプリを頼りに道を進む。

 もしスマホが使えなくなったら……。その不安が頭から離れない。

 同時に、「なぜ紙地図を持ってこなかったのか?」と後悔した。紙地図を携行すること、紙地図の読み方を練習しておくことが、たとえ低山登山であっても、大事だと感じた。

■綿の靴下で靴擦れ

 1つ目の山で道迷い中、かかとに軽い痛みを感じ始めた。

 「まさか」、と思い靴を脱いで確認すると、かかとの一部が靴擦れになりかけて、赤くなっていた。

 綿の靴下を使用していたのだが、すでに汗でかなり湿っており、これも靴擦れの要因となったようだ。ウェア類などと同様、登山用の靴下も綿はおすすめしないという情報をよく見るが、その通りだった。

 靴擦れがこれ以上悪化するのを防ぐため、持っていた絆創膏をかかとに貼り、再び歩き始めた。