いま話題沸騰中の「バンライフ」や「キャンピングカー」での車中泊生活。
短期の車中泊と違い、バン(車)やキャンピングカーを生活拠点として使い、全国を自由に旅しながら生活を送るスタイルが人気を集めている。
SNSを通してそのライフスタイルを発信する人たちも増え、InstagramやYouTubeでそのキラキラした旅のスタイルをたくさん目にする。
しかし、現実は毎日がそのような生活ではない。イメージだけで始めてしまうと理想と現実のギャップで後悔してしまうなんてことも。
今回は、実際に夫婦で100日以上のキャンピングカー生活を送って初めてわかった車中泊の理想と現実を紹介。
■理想のキラキラしたバンライフスタイル
日々SNSなどで目にするバンライフは、どれもキラキラしていて夢のような生活を送っているものばかりではないだろうか?
車で自由に移動しながら旅をして、毎日大自然の絶景スポットで寝起きする。おしゃれなインテリアの車内で、インスタ映えな朝食をゆっくり食べながら景色を楽しむ……。などと良い部分だけを見ると、多くの人が理想のライフスタイルをイメージするかもしれないが、現実は楽しいことばかりではない。
■車中泊の現実「毎日が宿泊の場所探しで大変」
毎日素敵な場所で寝泊まりしていると思われがちだが、時には人通りの多い騒がしい駐車場や、誰も居なくて暗く、少し危険な場所をやむなく選ぶなど、実際は宿泊場所を探すのも結構大変だ。
どこでも自由に車を停めて車中泊して良いわけではなく、車中泊禁止スポットも多数存在する。特にキャンピングカーなどの大型車だと駐車場所も限られているので、オートキャンプ場やRVパーク以外で宿泊場所を見つけるのは非常に難しい。
■トラブルはつきもの
車と家がひとつになっている特殊な車なので、乗用車や自宅とはまた違ったトラブルにも遭遇する。
まず、走行中の振動が大きいため、住居スペースに負担がかかりやすく、装備の故障の原因になりがち。筆者も今までコーキング劣化による雨漏り、水ポンプの故障、蛇口の水漏れ、サブバッテリーの不具合などと、さまざまなトラブルにあった。毎日生活する車だからこそ、いつどんなトラブルに遭うかわからないので常に気を張っている状態だ。
さらに、キャンピングカーの修理は通常の修理業者では対応してくれないこともあるので、専用業者を探すのもひと苦労だ。
■水は無限ではない。常に節水生活
家の蛇口をひねれば必要なだけ出てくる水と違い、キャンピングカーは給水タンクに溜められた水だけでやりくりしなければならない。自炊、食器洗いでもなるべく少量の水を使い、シャワーは夏場、冬場関係なく3分以内(水は流す時だけ出す)と常に節水を意識しながらの生活だ。数日だけなら大丈夫だが、毎日数分だけのシャワーは結構ストレスになったりもする。
さらに、車にシャワーがない場合は、毎日日帰りの入浴施設を探すことになる。
水の補給場所の心配だけでなく、調理やシャワーから出た生活排水の処理もきちんと決められた指定の場所で処理しなければならない。
バンライフでは常に自分の使う水、使った水の処理の心配が必要だ。