■山頂に着いたら御岳神社で参拝

登頂したらまず参拝。山のピークは神社の裏手にある

 武甲山に到着すると、「五十二丁目」と記されたひときわ大きく立派な丁目石が出迎えてくれる。その奥には、日本武尊を祀った御岳神社が鎮座。「武甲山」の名は、日本武尊が東国遠征の折、堂々とそびえるこの山の姿に感動して甲(かぶと)などの武具を埋め、関東の鎮護とした伝説にちなむ。神社には、コース途中にあった道祖神の祠に供える「感謝石」が詰まれている。初穂料は100円。登山安全や日々の感謝を込めて、白い小石に願いを記入し、下山の際に祠に用意された「石岩場」に積んでいく。違うルートで下山する場合は、感謝石が用意された場所に置いておけば、代わりに積んでおいてくれるという。

■展望台から秩父盆地を一望

標高1,304mの山頂標識があるのは神社の裏手の展望台

 山頂は広場やトイレが用意され、ゆっくり休憩できる快適な環境。神社の裏手に回ると展望台があり、広々とした秩父市内の盆地や、両神山、赤城山などの山々を一望できる。柵から麓を見下ろすとすぐ近くまで石灰石の採掘所が見え、その光景も目を見張るものがある。石灰の工場なども見え、今もなお武甲山では採掘が続けられていることを実感する。採掘前の武甲山は今よりも標高が32mも高かったという。山の形が変わるほど採掘された武甲山だが、秩父盆地のいたるところから見ることができるこの単独峰は、秩父の名山であり続けてくれるだろう。

 

<おすすめルート>
生川(一の鳥居)→十八丁目の水場→大杉の広場→武甲山→生川登山口(一の鳥居)
(所要時間:4時間50分)

●【MAP】武甲山