■伊勢山を縦走しながら「神座の窟」を訪れた
神座の窟だけなら「伊勢岩屋の森」登山口駐車場から1~1.5時間で登って下りて来られる。しかし今回は、一日かけて修験道の山を縦走し、伊勢山をがっつり楽しんできた。
伊勢山は、山頂と神座の窟が北側にあり、その左右から東尾根と西尾根が南に延びるコの字をひっくり返したような山容だ。
選んだコースは、東尾根の南側から北に向かい縦走し、伊勢山などを経由して、西尾根を縦走して戻ってくるコース。「打越(うちこし)こもれびの森」登山口駐車場に車を停め、そのすぐ南にある緑台1丁目にある「伊勢山東尾根コース登山口」からスタートした。
東尾根は、登山口から一気に尾根道まで上がる急坂から始まる。東尾根は全体的に岩やザレ場が多く、少々歩きにくい。ただ絶景が広がるスポットも多く、景色を楽しみながら歩けるコースだ。
中には絶壁の絶景スポットもあるのだが、柵は設置されていない。転落する恐れもあるので、絶対に岩場の端には近づかないようにしよう。
298mの無名のピークを過ぎると東尾根は終わる。続く東尾根と西尾根をつなぐ尾根道にある伊勢山は、眺望がまったく望めない。さらに尾根道を西に向かうと、西尾根の北端、標高314.3mの「伊勢山西峰」に到着する。
伊勢山西峰山頂は巨岩になっており、眺望は抜群。ただここも柵がないので、転落に注意し、あまり端のほうまで行かないように注意しよう。
なお神座の窟は、この伊勢山西峰の地面の下にある。実は神座の窟は伊勢山西峰頂上の巨岩の隙間にある空間。伊勢山西峰を少し下り、巨岩の細い隙間から岩の中に体を潜り込ませると、神座の窟が現れる。
そこは岩に囲まれた空間で、崖側は開けている。すぐ上の伊勢山西峰も絶景だったが、神座の窟から見渡す風景は、なんとも神秘的であった。
西尾根は東尾根ほど眺望はよくないが、道は東尾根よりはるかに歩きやすい。また眺望がよい場所もいくつかあり、特に標高289.2mの「西尾根展望台」からの眺望は抜群。登山口から太陽公園の白鳥(はくちょう)城や大雁塔(だいがんとう)、姫路市街、瀬戸内海、そして淡路島まで見渡せる。今回は春霞で見えなかったが、小豆島や四国まで見えることもあるようだ。